『スレたシーバスでも釣れるワインド釣法の事、全部教えて!』っていう人のための特集記事です。
専用のジグヘッドとワーム、そしてアクティブなロッドアクションが特徴のこの釣りは、一般的なワームのスイミングパターンでは釣れないシーバスにも口を使わせることが可能です。
そのため、シブい状況でシーバスを釣るためのテクニックとして非常に便利ですが、道具選びや釣り方なども非常に特殊であり、苦手意識を持つアングラーも多いんですよね。
そこで本記事では、シーバスのワインド釣法に関する基礎知識を、この釣法未経験者向けに詳しくまとめました。
仕掛けの組み方、ジグヘッドとワームの選び方から、気になるロッドアクションの付け方まで、ワインドに関する事を全部詰め込んでいます。
ワインド釣法、ぜひ本記事を参考にしてチャレンジしてみて下さい!
リアクションバイトを誘発するワインド釣法とワームのダートアクションについて
ワインド釣法とは、ワインド専用のジグヘッドにワームを逆付けしてしゃくり上げるようなアクションでシーバスを誘う釣法です。
このロッドアクションにより、ワームが右へ左へとダートアクション(=横滑りの動き)を繰り返しながら手前へと近づいてくる事になります。
そして、ワームが左右へと方向転換する瞬間が食わせのアクションとして働き。シーバスはこのようなアクションの急激な変化に反射的に反応して、思わずリアクションバイトしてしまいます。
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つまり、ジグヘッドリグが『ただ巻き』を基本としたナチュラルな誘いであるのに対し、ワインド釣法はリアクションバイトの誘発を目的とした攻めの釣りといえます。
(参考記事:ただ巻きを基本とするジグヘッドリグのスイミングパターンについては、こちらの記事、『ジグヘッドリグの動かし方と釣り方』で詳しく解説しています。)
仕掛け、ロッドアクション等が特殊で少し高度なテクニックではありますが、ただ巻きやトゥイッチでは口を使わないスレたシーバスを狙う時に活躍するメソッドですね。
ただし、もちろんデメリットもあって、あっという間に場がスレてしまいます。そのため、最初の一投目からワインド釣法を試すのはご法度です。
一匹目は簡単に釣れるかもしれませんが、二匹目が続かなくなりますので。。。
また、ワインド釣法は横方向に大きく動くアクションが特徴であり、シーバスのバイトが浅くなりやすいため、バラシやフッキングミスが多くなる傾向にあります。
そのため、例えば以下のような専用のアシストフックをつける方がバラシが減ります。
ワインド釣法の仕掛け
ワインド釣法には、上の写真のようにヘッド形状が上面に向かって鋭角にとがった専用のジグヘッドが使用されます。これは『矢じり型』とか『ピラミッド型』とか呼ばれる形状ですね。
この形状には意味があって、しゃくりのロッドアクションを加えた時にヘッド部分が水を横方向に受け流してくれるため、結果的に仕掛け全体が左右のどちらかに大きくスライドしてくれます。
また、ワームの付け方にも特徴があり、ジグヘッドリグの時とは逆向き、つまり、『フラットな面が下で、とがった鋭角側が上』となります。
この向きについてもジグヘッドの形状と意味は同じです。
つまり、ワームの鋭角側が上になっているため、ロッドをしゃくり上げた時にワームが水を受け流しやすく、その結果大きく左右に飛び跳ねるようなダートをしてくれます。
ワインド釣法の水中動画と釣り方(ロッドアクション)
ワインド釣法の釣り方は、独特のロッドアクションを伴うため文章で表現するのが非常に難しいです。また、水中でのダートアクションについては、実際の動きをイメージしづらいと思うんですよね。
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という事でここでは、ワインド釣法の釣り方に関する素晴らしい動画をいくつか紹介したいと思います。
①ダートアクションの水中動画詳細
ダイワの名作ピンテールワーム『モアザン ミドルアッパー』の水中アクション動画です。動画の1:22付近から、ワインド釣法による水中アクションが撮影されています。
この動画を見れば、大きくキレのある左右のダートアクションの動きがイメージしやすくなるはずです。
なおこの動画で使われているワームは、こちらの記事『名作ピンテールワーム3選』でも紹介したピンテールワームですが、逆付けするだけでこのようにうワインド釣法にも使えてしまいます。
さすが名作ワームと言われるだけあって、本当にうまく設計してあるなって感心してしまいます。
②ダートアクションにシーバスが反応している参考動画
こちらは、ワインド釣法によるダートアクションにシーバスの群れが反応しまくっている非常に面白い動画です。ワームが左から右へとダートするその瞬間に、シーバスのリアクションバイトが誘発されているのが解ります。
また、この釣法では『ミスバイトとバラシが多発する』というのも、この動画を見れば一目瞭然かと思いますよ。
ワインド釣法はこの動画でわかるように、ショートバイトを繰り返しながら、運よくシーバスがワームを咥え切った時にだけ釣果に結びつく、そんな釣法なんです。
ある意味ではテクニカルで、そしてある意味では運の要素も必要な、そんな独特の釣りのスタイルといえます。
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それにしてもこの動画、いったいどうやって撮影したんでしょうね?シーバスも撮影中によく逃げなかったなって、変な感心をしてしまいました。
ワインド関連の動画はYouTubeに溢れていますが、個人的にはこの動画が一番興奮しましたw
③ワインド釣法の解説動画
『釣れるピンテールワーム』の代名詞的存在であるアルカリ(コアマン)を使ったワインド釣法の解説動画です(参考:名作ピンテールワーム3選)。
動画の3:55付近から、ジグヘッドの使い方やワームのセッティング、ちょっとしたワームのチューニング方法などが詳しく解説されています。
また、ロッドアクションの操作が手元アップで撮影されていますので、この動画だけでワインド釣法の釣り方が理解できるはずです。
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ちなみに、動画に登場する泉裕文プロはコアマンの社長さんであり、この動画でも活躍する名作ワーム『アルカリ』の生みの親でもあります。
開発者ご本人のワインドテクニックが学べるという意味では、この動画はかなり貴重だといえますね。
ワインド釣法にお勧めのド定番ジグヘッド3選
ワインド釣法での釣果の決め手は、ダートアクションの横幅、つまり、『どれだけ大きくスライド移動させられるのか?』という部分になります。
そのため、ジグヘッドの選び方はかなり重要です。
ここでは、誰でも大きな横スライドのダートアクションが出しやすい名作ワインドジグヘッドを三つ紹介したいと思います。
その①|ZZヘッド(オンスタックルデザイン)
ワインド専用のジグヘッドとしては最も有名なものの一つでしょう。マナティーという専用ワームを用いて、誰でも簡単に美しいダートアクションが出るように設計されています。
いわゆる矢じり型のヘッドであり、ロッドアクションを加えた時に水を受け流しやすく、他のワインドジグヘッドよりも引き重りが軽いのが特徴です。
カラーも非常に豊富なので、潮の色や天候に合わせて選びやすくなっています。
その②|メジャークラフト ジグパラ ワインド スタートキット
ワインド用のジグヘッドと専用のワームがセットになったキットです。対象魚として牙が鋭い太刀魚を想定しているためワイヤーリーダーが接続されています。
ですが、ワイヤーリーダーはアクションに悪影響が出ますし、シーバス用として使うなら必要ないので外して良いでしょう。
ワームなしのヘッド単品も販売されているので、シーバス用にはこちらを選ぶのもいいですね。
その③|パワーヘッド(コアマン)
こちらの記事『ジグヘッドの選び方|人気の2つといえば、静ヘッドとパワーヘッドだけど・・・』でも紹介したように、私(編集部・るあらび)がワームのスイミングパターン愛用しているジグヘッドの一つです。
本来はワインド釣法用ではないのですが、スリット入りのヘッドがダートアクションのキレの良さに貢献してくれるため、ワインド釣法にも使いやすく仕上がっています。
上で紹介した二つのワインド用ジグヘッドは、どちらかというと太刀魚をターゲットとして開発されており、しかも専用ワームとのセットでの使用を想定しています。そのため汎用性が低いというデメリットがあるんです。
ですが、こちらのパワーヘッドであれば、市販のどのようなワームであってもセットできますし、ワインドにもスイミングパターンにも使えます。
そのため、現場での状況に合わせて用の使い分けできるため非常に便利ですよ。
ちなみに私は、ワインドでのシーバス狙いの時は、少しでも現場に持ち込む荷物を減らしたい事もあって、こちらのパワーヘッドばかり使っています。
ワインド釣法用のワーム|専用ワームもあるけれど・・・
ワインド釣法のワームには、専用ジグヘッドとのセット使用を前提とした専用ワームというジャンルがあります。代表例は、こちらで紹介した専用ジグヘッド『ZZヘッド(オンスタックルデザイン)』と合わせて使うための『マナティー』などですね。
他にも、『ジグパラ ワインド用ジグヘッド』用の『ジグパラワインドスリム』も、このような専用ワームの代表例です。
もちろんこのような専用ワームとジグヘッドとセットで使うのもいいのですが、実はスイミング用のピンテールワームの逆刺しでも充分にダートアクションを出す事が可能です。
例えばこちらの記事、『名作ピンテールワーム3選』で紹介しているスイミングワームの名作のうち、ダイワのミドルアッパーとコアマンのアルカリの二種類は、鋭角な面が上になるようにセットする事でダート用ワームとしてそのまま使う事ができます。
これは、ジグヘッドリグのスイミングパターンとワーム共用ができるため、現場での使い勝手が非常に良く便利です。
特に私のお気に入りはコアマンのアルカリですね。
販売元のコアマンからは、『ワインド釣法の時は、尻尾の小さなシャッド部位を千切るって逆付けすると良い』というテクニックがわざわざ推奨されているくらいでして、ワインド用のワームとしても非常に完成度が高いんです。
というわけでワインド用ワームに関しては・・・
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①この釣り方に徹底的にこだわるのであればマナティー90のような専用ワームを使うのも良い
②スイミングパターンとの併用を意識するのであれば、アルカリ(コアマン)やモアザン ミドルアッパー(DAIWA)の逆付け
この二つの選択肢がお勧めという事になります。
まとめ
一言でまとめると…『シーバスのワインド釣法、恐るるに足らず!スイミングパターンとのワーム流用もできるので、実は意外にお手軽なんです!』っていうお話でした。
この釣り方は、場のスレが早いという欠点はありますが、こちらの記事で紹介した『ワームのジグヘッドリグ&スイミング釣法』と相補的に用いる事で『シーバスを根こそぎ狩りつくす』ような数釣りも可能なテクニックです。
また、スイミングパターンとワインドの流用ができるワームを選ぶ事で、一つの仕掛けで両方の釣り方をする事が出来ます。そのため、現場の状況変化に合わせて釣り方を変えながら攻略するという奥深いゲーム性も併せ持ちます。
本記事も参考にしながら、次回の釣行で是非ワインド釣法を試してみて下さいね!
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なお本メディアでは、シーバスの釣りに関する多くの特集記事を準備しています。ワインド釣法以外の釣り方にも興味がある人は、以下の記事一覧まとめページからお気に入りのコンテンツが見つかると思うので、ご参考になれば嬉しいです!
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本記事があなたのアウトドアライフの一助に、そして、ワインド釣法での最初の一匹を手にするきっかけになれば嬉しいです。