シーバスの釣りにおいてルアーカラー選びの優先度は低いですが、それでもシーバスが色を識別している事は確かです。
どのようなシチュエーションでどのカラーを選べば良いのか、そのノウハウを本記事で紹介します!
基本的には、「目立つカラーを選ぶ」がセオリーです。
『シーバスルアーのカラーってあまりに多すぎて、どれを選べばいいのかさっぱりわかりません!』という初心者のためのハウツー記事です。
この問題に関しては、『そもそもシーバスが色を認識するのか?』という問題も含めて非常に複雑です。
そのため、アングラーの数だけ答えがある状況といえるかもしれません。
ですが、そこにはやはりセオリーと呼べるものがあり、海況やシチュエーションごとにカラー選びのルールがあるのも事実です。
そこで本記事では、『こんな状況の時は、まずはこのようなカラーを試せばいいよ!』というカラー選択の基本的な考え方をまとめてみました。
また、シーバスの色の識別に関する科学的な事実や、基本となるカラーの種類についてもまとめています。
シーバスルアーのカラー選びに関する疑問は、この記事で全て解決しますよ!
ルアーカラーの科学|シーバスは確実にルアーの色を識別している!
シーバスはルアーカラーの違いを確実に識別しているという科学的な研究成果があります。
魚の摂餌行動に及ぼす背景色の影響をみることを目的とした水槽行動実験を行った。
供試魚にはスズキを用い,白,赤,緑,青を背景色として擬餌5種類(白,赤,緑,青および透明)を同時に投入し,擬餌に対する魚の行動記録を水中ビデオカメラで撮影記録し,解析した。
背景が白では,緑の擬餌に対する食付き頻度が顕著に高かった。また,背景が赤および青では,透明および白の擬餌に高い食付き頻度を示した。
高頻度で選択される擬餌の色は背景色によって異なり,背景色とルアー色の普遍的な組み合わせは見出せなかった。
これがシーバスルアーのカラー選びに関する科学的な結論です。
それではさようなら。
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というのは嘘ですw
どういう事かというと・・・
上で引用した何やら難しい日本語の文章は、シーバスの捕食活性とルアカラーの相関について鹿児島大学水産学部のグループが報告した論文の要約になります。
論文そのものは上のテキストリンクから全文をPDFファイルで落とせますので、シーバスルアーのカラー選びで悩んでいる人は、ぜひ入手する事をお勧めします。
ちなみにこれは余談ですが、論文内での実験においては、鹿児島県万之瀬川において釣ったセイゴを用いており、実験では疑似餌として『電気絶縁用のポリ塩化ビニル粘着テープ(白、赤、緑、青、透明)をペレット状に丸めたもの』を使ったと記載されていました。
シーバスって、なんでも喰うんですねw
で、論文の内容ですが、シーバスのルアーフィッシングに関係しそうな結論として、以下の事実が報告されています。
- スズキは特定の色の疑似餌に選択的に喰いついたが、その色は水槽の背景色によって異なっていた。
- 水槽の背景色とのコントラストが強くでるカラーを好む傾向を示した。
- 透明の疑似餌は、どのような背景色でも比較的良くスズキのバイトを誘発した。
つまりはこれ、『背景とのコントラストが強くでるカラー(=目立つカラー)をシーバスは好むが、透明だけはどうやら普遍的に、どのような状況でもシーバスに好まれやすい』という結論になりそうです。
そして何よりも重要な事が『シーバスは確かに色を識別している。そしてこの識別能力は、捕食行動にも活かされている』という部分だと思います。
つまり、『シーバスのルアー選びにカラーなんて関係ない』というのは無理のある極論であり、少なくとも『シーバスが好む色』は存在するといえそうです。
私の考え|ルアカラーの優先度は低いけど、現場での迷いを減らすためにもセオリーだけは理解したい
シーバス釣りのルアーセレクトにおいて、カラー選びは優先順位の一番最後です。ですが、基本的なセオリーだけは理解しておいた方が釣果に繋がります。
では、ルアーカラーはシーバスのルアーフィッシングにおいてどれほど重要なのでしょうか?
言い換えると、一つの種類のルアーで様々なカラーを揃える必要は、本当にあるといえるのでしょうか?
私は、このような『カラー原理主義』といえるような考え方には反対です。
もっとはっきり言うと、『ルアー選びにおいて、カラーの優先度は一番下』だと考えています。
なぜかというと、上で紹介した論文報告からわかる事は、『ルアー(疑似餌)は目立ってナンボです』という事実に過ぎないからです。
実際に論文内では、『このような背景色の時は、このカラーがいいという結論は見出せなかった』とはっきり記載されているんですよ。
では、ルアーフィッシングにおいて、ルアーを目立たせる一番の手段は、『ルアーの色』でしょうか?
答えは『No』だと思いませんか?
例えばルアーの泳層(レンジ)とカラーを比較してみましょう。
シーバスがボトムを意識しているときに、普遍的に目立つカラーとされているゴールド系のフローティングミノーを使ったとして、そのルアーはシーバスにとって目立つでしょうか?
私なら、例えカラーのミスマッチが起きたとしても、ボトムまで沈めて使えるバイブレーションやスピンテールジグなどを選ぶと思います。
理由は、『カラーよりもレンジを合わせた方が、シーバスにとって目立つから』です。
他にも、ルアーのアクションとカラーの比較でも同じ事がいえます。
8月後半~10月の時期のシーバスデイゲーム(=日中の釣り)においては、『早くて激しい動きのルアー』が圧倒的な釣果をたたき出す事が多いです。
例えば鉄板バイブ、バイブレーションプラグ、メタルジグなどがその代表例になります。
このような早い釣りが良い理由の一つは、シーバスがゆっくりした動きのルアーを見切ってしまう事にあるのですが、それだけが理由ではありません。
この季節のベイトは活発に、そして、素早く動き回りますので、そのような早い動きに対してシーバスは敏感に反応してくれます。
これは言い換えると、『夏のシーバスにとって、ゆっくりした動きよりも素早い動きのルアーの方が目立つ』といえます。
このような季節に、目立つカラーの代表例である『赤金』のシンキングペンシルは有効でしょうか?
きっとこのようなチョイスでは、真夏のデイゲームのシーバスは見向きもしてくれません。
理由は『カラーよりも動きとスピードを合わせた方が、夏のシーバスにとって目立つから』です。
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というわけで、私の経験則と、先ほど上で紹介した『異なる背景色におけるスズキのルアー色の選択』という論文の結論をすり合わせてみると…
『シーバスはカラーを識別するし、色と捕食活性に相関はあるけど、その優先順位はそこまで高くない』と私は考えています。
そのため私は、基本的にルアーを一つに固定して行うカラーローテーションは行いません。
もし現場でルアーカラーに違和感を感じるような場合は、『ルアーカラーとルアーの種類を同時に変更』して、カラーアピールとアクションアピールの両方を大きく変化させる事が多いです。
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ですが、それならルアーカラーはどれでもいいのか?というと、これもまた極論かなって思うんですよ。
なぜなら、先ほど紹介した論文では以下のような事実が報告されているからなんです。
- 背景色とのコントラストが強いルアーがいい
- ルアーは目立ってナンボ
- 透明(クリアカラー)は普遍的にバイトを誘発しやすい
せっかくこのような事実も報告されているのですから、そのセオリーだけでもざっくりと押さえておく必要はあると私は考えています。
言い換えると…
『どのような状況の時、どのカラーを選べば少しはマシになるのか?』というマイルールを作っておけば、カラー選びについての迷いは無くなるはずですよね?
そして、迷いのない状況で自信をもってルアーを投げ続ける事が、シーバスという気難しいターゲットを狙い撃つ一番のコツだと私は思うんです。
- ルアーカラーの優先順位は一番下。レンジや動き(アクション、スピード)の方が大事!
- カラー選びの第一原則は『目だってなんぼ!』
- カラー選びは背景色とのコントラストが大事!
- 迷ったら透明(クリアーカラー)というチョイスもあり!
レンジ、アクション、カラーなどの要素と釣れるルアーの相関については、以下の記事も参考になるかと思います。
【関連①】アクション、サイズ、カラーの重要度には差がある?!
最初にどのようなシーバスルアーの種類を揃えればよいのか?という点については、以下の記事が参考になります。
シーバスルアーのカラー基本の5系統について
シーバスルアーのカラーは以下の5系統が基本となります。
①ゴールド系
②ホロ系(=シルバー系)
③クリア系
④パール系
⑤チャート系
あまりに多くの種類が存在するシーバスルアーのカラーですが、色彩の基本的な性質から考えると5種類に分類可能です。
そして、これらの5種類の使いどころさえ押さえておけば、いざ現場でカラー選びをする時に迷いも減るかと思います。
そんなわけでここでは、絶対に理解おきたいルアーカラーの基本5系統とその特徴をまとめてみました。
ゴールド系
あらゆる状況下で最も目立つ色とされています。
そのため、光量が少ない朝まずめ、夕まずめや、土砂降り直後のきつい濁りが入った状況でもキラキラとフラッシングしてシーバスにアピールしてくれます。
- 朝まずめ、夕まずめ
- 濁りがきつい
- 曇り~雨で光量が少ない
ゴールドは光を反射して目立つカラーですので、完全に真っ暗な状況での夜釣りではあまり目立ちません。
そのため、例えば新月の闇夜のサーフでゴールド系を選んでもあまり意味がないといえますね。
つまりこの系統のカラーは『光量がわずかにあるが、濁りなどが原因で高アピールが必要な状況』が得意であると判断できます。
ホロ系(=シルバー系)
正確にはホログラムといいます。
ホログラムシールを張ったルアーの色味と考えて下さい。
これは、光を乱反射する独特のカラーリングであり、ベイトのキラキラした鱗の銀色に似ている事から、シルバー系とも呼ばれるカラーです、
万能カラーの代表例であり、フラッシングによるアピール力もありますが、ゴールドほどは目立たちません。
そのため、澄潮などの濁りが入っていない状況下で、ゴールドでは派手すぎるけどキラキラと光らせて目立たせたい時に活躍します。
基本的には昼間の釣りでハイアピールを意識したい時に使いますが、常夜灯回りのナイトゲームでも充分に使えるカラーです。
クリア系
透明のボディーを主体としたカラーリングであり、スケルトンカラー、ゴーストカラーとも呼ばれます。
このタイプのルアーは、光がボディー内部まで透過し、そこで乱反射する特性があります。
シーバスが下からこのカラーのルアーを見上げると、ボディー全体で光が瞬きキラキラと非常に目立ちます。
ですが、ゴールド系やホロ系ほどの派手さはなく、非常に自然なアピールです。
そのため、最もスレに強いカラーともいわれています。
ただし注意点がいくつかあります。
例えば光が全くない場所ではほとんど目立たないため、アピール力不足になる事も多いです。
また、濁りがきつい状況は、クリアカラーの特性であるルアーボディー全体の光透過性が発揮されないため、非常に相性が悪いです。
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基本的にこのカラーは、光がボディー内部へと透過する事が必要であるため、表層系の光が届きやすいルアーでその効果が最も発揮されます。
特にトップウォーター~サブサーフェイスミノーなどとは相性が良いため、この種のルアーのカラーリングとして一つは揃えておきたいですね。
- 澄潮でフラッシング系カラーが派手すぎると判断できる時
- 常夜灯下、満月時の夜釣りのサーフなど、ある程度光量が確保された夜釣り
- スレが進行したポイント
- 魚との距離感が近いシャロー帯+表層系ルアーとの相性がいい
シーバス用のサブサーフェイズミノーの特徴、選び方については、以下の記事が良く読まれています。
【関連①】シーバス用ミノーの基礎と選び方のコツ&初心者にお勧めの名作9選!
また、サブサーフェイスミノーの名作についても以下の記事でレビューしていますので、参考になさって下さい。
【関連②】サスケ120裂波の俺的インプレ|永遠の一軍ミノーに決定です!
パール系
白地のボディーを基本としたカラーリングでホワイト系とも呼ばれます。
ちなみに、パール=真珠ですので、『真珠っぽい少し輝くような白主体の色合い』といったイメージですね。
もともと白という色は、『可視光線を全て乱反射した時の色味』です。
そして、海中でこのカラーを眺めると、ルアー全体の色合いが背景に対比されるため目立ちます。
特に光量が低い朝まずめ、夕まずめなどに、水中でぼわーっとシルエットがぼけてナチュラルにアピールしてくれます。
また、『可視光線の全てを反射する』という特徴からわかるように、これはクリアカラーと似た乱反射系のカラーであるともいえます。
そのため、その使いどころも基本的にはホログラムカラーと同じです。
- 朝まずめ、夕まずめ
- 夜釣り
- 澄潮
- きつい濁りは苦手
- 澄潮~ささ濁り程度で存在感が強く、サイズ感も大きく見えるため目立つ
- クリア系についでスレに強いカラー
チャート系
蛍光色に代表される明るくて派手な色の総称です。
例えば蛍光黄色がその代表例であり、他にも、蛍光緑、蛍光ピンク、蛍光オレンジなどがシーバスルアーではよく用いられています。
このタイプのカラーは、自然光や人工光(常夜灯など)に含まれる紫外線が当たっている状態で発光する特徴があります。
そのため、光量がある程度存在する常夜灯下などのナイトゲームで非常に目立ちます。
また、朝まずめ、夕まずめ、曇り~雨の天候、海中の深い場所でも、同様の蛍光現象が発揮されるため、このような条件下では極めてハイアピールなカラーとなります。
- 夜釣りの定番カラー
- 常夜灯下、光量がある程度ある夜
- きつい濁りは苦手
- 朝まずめ、夕まずめのハイアピールカラー
- 太陽光が届く水深の深い場所でのハイアピールカラー
なお、よく似たカラーにグロー系があります。
勘違いしている人も多いと思うので念のため説明しておくと…
グロー系カラーは『蓄光現象』を利用しており、紫外線を一度あてると暗闇でも発光現象がしばらく続きます。
そのため、チャート系蛍光カラーとグロー系カラーは、根本的に特徴が違うと考えて下さい。
写真を撮ってみたのですが、グローカラーはUV照射後もしばらくは暗闇で光り続けているのが解るかと思います。
非常に目立つのが一目瞭然ですよね?
↓
- チャート系:蛍光、つまり、光(紫外線)が当たっている時だけ発光する
- グロー系:蓄光、つまり、光(紫外線)の照射が終わってもしばらくの間発光し続ける
アピ―ル力についても差があり、『グロー系>チャート系』となります。
シーバスの夜釣り、ナイトゲームの攻略法については、以下の記事で詳しく解説しています。
シチュエーション別のカラー選定の例
シーバスルアーのカラー選びのセオリーは以下の通りです。
①デイゲーム:フラッシング系
②ナイトゲーム:チャート系
③スレが進行している:クリアカラー
④濁りがきつい:ゴールド系、ホロ系
⑤クリアウォーター:クリア系、パール系
⑥曇り:クリア系、ゴールド系、ホロ系
⑦朝まずめ、夕まずめ:クリア系、ゴールド系、ホロ系、チャート系蛍光
⑧夏(7~9月):ゴールド系、ホロ系
⑨冬(11~2月):クリア系、パール系
シーバスルアーの5つの基本色についてはご理解頂けたかと思います。
それでは次に、どのようなポイントと状況で、どのようなカラーを選べば良いのか?というセオリーに関してですが…
- 背景色とのコントラストが強調される色が良い
- ルアーは目立ってナンボ
この二つの考え方を基本としたカラー選びの一般論について、詳しく解説してみますね。
以下に紹介するシチュエーションは、ほとんど全ての『シーバスのルアーフィッシング』の状況をカバーしています。
ですので、カラー選びの一つの基準として使ってもらえれば嬉しいです^^
デイゲーム(日中)⇒フラッシング&乱反射系カラーが良い
せっかくの太陽光がある状況ですから、これを利用するような種類のカラーで、ルアーそのものを目立たせてアピールする戦術が有効です。
そのため、フラッシング系(シルバー系、ホログラム系)のカラーで活性の高い個体を拾い上げるようなカラー選びが最初のチョイスとなります。
そして、このようなハイアピール系フラッシングカラーで反応が得られない場合は、少しアピールが強すぎる可能性も考慮する必要が考えられます。
この場合は、同じく乱反射系で、しかもスレにも強いとされているクリアー系を試してみるのが有効でしょうね。
- 自然光を利用したフラッシング、乱反射系のカラーが良い
- 最初はシルバー、ホロなどのフラッシング系で高活性の個体を拾い上げるイメージ
- 活性が低そうな場合は、クリアー系のナチュラルアピールを意識する
シーバスデイゲームの攻略法については、以下の記事が良く読まれています。
ナイトゲーム(夜釣り)⇒チャート系、チャートバックパール系が良い
シーバスのナイトゲームといえば、完全闇夜という状況はほとんどないかと思います。
つまり、常夜灯や街明かり、月夜などのように、少ないながらも光が存在する環境がほとんどのはずです。
そのため、このような少ない光量を上手く利用して、ルアーを少しでも目立たせるようなカラーを選ぶ必要があります。
チャート(蛍光)系カラーは、このような少ない光量でも蛍光を発してくれていますので非常に目立ちます。
そのため、ナイトゲームでどこに魚がいるかわからない時に、広くランガンするような使い方に最適です。
また、チャート系にも様々なパターンが存在しますが、パール系ボディーとの組み合わせカラーである『チャートバックパール(全体が白で背がチャート系)』というカラーは、ボディーのパ―ル部分との対比が非常に目立ちます。
そのため、夜釣りの鉄板カラーとして非常に優秀であり、必ず揃えておきたいカラーといえます。
同じ理由から、ナイトゲームが主戦場となるバチ抜け攻略でも、このカラーは必須ですね。
- 少ない光量を利用して目立つアピール系カラーが良い
- チャート系蛍光カラーが代表例
- ド定番は『チャートパールバック(ボディーが白で背がチャート)』
シーバスナイトゲームの攻略法については、以下の記事が人気です。
スレが進行している場合⇒クリアカラーが良い
シーバスがいるのに反応してくれない時は、確実にスレが進行していると予想されます。
そのため、フラッシング系のカラーは派手すぎてシーバスが見向きもしてくれない事も多いです。
このような時に活躍するのが『クリア系』のカラーです。
ボディー透過光の乱反射は水中で非常に目立ちますが、フラッシング系のような人工的なギラツキではないためスレにも強く、シーバスに与える違和感も最小限度に抑える事ができます。
水の透明度が高い場合はボディー全体がほぼ全てクリアーなものでも良いのですが、少し濁りが入っている場合は、チャートバッククリア系(背がチャート、ボディー部分がクリア)という配色も良いですよ。
このようなチャートとクリアの両方で構成されるカラーリングは、完全なクリアーよりも配色の対比現象がおきるため、シーバスからの視認性も高くなると考えられています。
特にクリア系のカラーは、人間側から観察した時の見た目があまりに控えめであるため釣れる気がしないという人も多いようですが、そういう人であっても、チャートバッククリア系なら信じて投げ続けられるのではないでしょうか?
- ナチュラルカラーが大原則であり、目立ちすぎるフラッシング系はNG
- 最もスレに強いのはクリアカラー
- アピール力とナチュラルさのバランスに優れたチャートバッククリア(背がチャート、ボディー部分がクリア)が使いやすい
濁りがきつい場合⇒ゴールド系、ホロ系が良い
雨や風の影響、季節要因(特に夏場)などで濁りが入っている時は、フラッシング系のキラキラと光を乱反射させて目立つカラーが良いです。
特に赤金、黒金に代表されるゴールド系カラーが定番です。
これらのカラーは、水中の光量が少ない状況でも非常に目立つため、濁りが入った時のファーストチョイスとして最適ですね。
次に、このようなゴールド系で反応が得られなかった場合は、少しアピールが強すぎた可能性も考えて、ホロ系(=シルバー系)へとアピールダウンするローテーションが私(編集部・るあらび)の中では定番となっています。
ちなみに、この『ゴールド→シルバーへのカラーローテーション』という一連の流れは、マズメ時を含むデイゲームでは一般的ですが、ナイトゲームでこれを採用している方は少ないように思います。
これは、こちらの記事『ナイトゲーム(夜釣り)⇒チャート系、チャートバックパール系が良い』でも説明したように、”ナイトゲーム=チャート系・チャートパールバック系”というセオリーがあまりに有名すぎるためだと思います。
ですが、常夜灯や月明りさえ存在していればフラッシング系カラーは普通に活躍しますので、ぜひ一度試してみて下さい。
チャート系にスレた個体がドカン!と反応するかも?ですよ!
- 目立ってナンボのカラー選びが最も活躍する状況
- フラッシング系のゴールド、ホログラムカラーがド定番
- アカキン、クロキンがその代表例
クリアウォーター(澄み潮)の場合⇒クリア系、パール系が良い
ルアーの視認性が高い状況なので、ナチュラルにアピールしてくれる派手すぎないカラーが良いとされています。
代表例としては、最もスレに強いとされているクリア系、同じく光を乱反射する性質を有したパール系(ホワイト系)がこれにあてはまります。
また少し具体的なカラー名称にはなりますが、『イワシカラー』『ボラカラー』などと呼ばれるような、いわゆるナチュラルカラーもこのような状況には強いので、ポイントによっては準備しておくと良いかと思います。
ちなみにイワシカラーはこんな感じのカラーでして、『背の青とボディーの黒い点+ボディーのホログラム』が特徴です。
↓
一方でボラカラーは『背の黒+ボディーのホログラム』が特徴です。
メーカーさんによっては、えらの周辺に薄いブルーを配色して、よりボラっぽさを追求しているパターンもあります。
ちなみに、ボラってこんな魚です。
(ボラカラーのルアーは手持ちが無かったので、実物で勘弁して下さいw)
なお、クリアーウォーターでスピンテールジグなどのブレード系のルアーを使う場合もあると思いますが、その場合のブレードカラーは、セオリーとしてはシルバー系が良いとされています。
これは、ゴールド系のブレードは目立ちすぎて澄潮ではあっという間に場がスレてしまうためです。
(関連記事:②ブレードの色/ シーバス用スピンテールジグの基礎知識と超名作11選!)
- 派手すぎないナチュラルアピール系のカラーが良い
- クリア系、パール系がその代表例
- ベイトを意識したナチュラルカラーも相性が良い(例:イワシカラー、ボラカラー)
天候が曇りの場合⇒クリア系、ゴールド系、ホロ系が良い
『曇り=光量が少ない状況』であるため、基本的にはアピール力が高い派手なカラーが有効です。
代表例としては、デイゲームならクリア系、ゴールド系、ホロ系などになります。
これら3種類のカラーの使い分けについては、濁りの強さとも関係してきます。
- 澄潮ならクリア
- 濁りが入っているならゴールド系
- 迷ったら取り合えず、万能カラーであるホロ系
このようなチョイスが考えられますね。
また、曇りという光量が少ない状況は常夜灯回りの夜釣りの環境にも似ているため、デイゲームでもチャート系カラーが活躍する場合も多いです。
そのため、カラーローテーションの一つとして準備しておくと良いでしょう。
ただし、チャート系カラーは濁りが強すぎるとアピール力が大きく落ちますので、ササ濁り程度までなら使えると考えて下さい。
- 少ない光量を利用して目立つハイアピールカラーが良い
- 澄潮ならクリア系、濁りがあるならフラッシング系(ゴールド、ホログラム)
- チャート系蛍光カラーというチョイスも有り!
朝まずめ、夕まずめ⇒クリア系、ゴールド系、ホロ系、チャート系蛍光(例:ケイムラ)が良い
このような時間帯は光量が少ない環境ですので、基本的に曇りの天候と同じセオリーが通用します。
つまり、クリア系、ゴールド系、ホロ系などの光を乱反射して目立つカラーが定番であり、濁りの程度に合わせて選び分ける戦術が有効です。
『ささ濁りが入っていればデイゲームでもチャート系カラーが使える』という点も、曇りの天候の場合と同じですね。
また、マズメという時間帯(=日の出、日の入りの前後一時間程度)の最大の特徴として、自然光に含まれる可視光線が弱く、相対的に紫外線の強さが高くなっているという事実があげられます。
そのため、紫外線を浴びて発光するチャート系蛍光カラーが最も活躍する時間帯です。
これに関しては、『ケイムラ』と呼ばれる蛍光紫のカラーがマズメ時の定番として人気であり、活性の高い個体を効率よく狙うのにピッタリであるとされています。
ちなみに『ケイムラ』はこんな色でして、自然光下では『うっすら紫』ですが・・・
↓
紫外線照射下では蛍光現象を起こしているのが解るかと思います。
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なお、チャート系蛍光色と対比される事の多いグロー系カラーに関しては、こちらの段落『チャート系 / シーバスルアーのカラー基本の5系統について』で説明したように、紫外光照射後も蓄光現象により発光し続ける特徴があるため、根本的にその性質や使いどころが違います。
グロー系カラーはマズメ時よりは完全な闇夜のナイトゲームで最も活躍する超ハイアピール系カラーであり、マズメ時に選ぶ理由が特別にあるわけではないので注意して下さいね。
- 少ない光量で目立つハイアピール戦略
- クリア系、ゴールド、ホログラム(シルバー)などの光を乱反射するカラー
- 紫外線で発光するチャート系蛍光、特にケイムラ(=蛍光紫)が最も活躍する時間帯
夏(7月中旬~9月中旬)⇒ゴールド系、ホロ系が良い
この季節はプランクトンをはじめとする微生物が増える事もあり、濁りが強くなる季節です。
そのため、濁りに強いとされるホロ系、ゴールド系を軸にするカラー戦略が有効になります。
例えば朝まずめ、夕まずめなどの食いが立っている時間帯は、よりアピールが強いゴールド系を最初に選び、反応が得られないようであればホロ系へと変更するというイメージですね。
また、この時期のデイゲームで時に活躍の場が多いスピンテールジグについては、ブレードの色は濁りに強いゴールド系を選ぶのが鉄則となります。
(関連記事:②ブレードの色/ シーバス用スピンテールジグの基礎知識と超名作11選!)
- 濁りに強いカラーという戦略
- ゴールド系、ホロ系などのフラッシング系カラーが活躍する
冬(11月末~2月いっぱい)⇒クリア系、パール系が良い
冬は澄潮が基本の海況なので、ルアーカラーも目立ちすぎないナチュラル系を軸にする戦略が有効です。
具体例としては、クリア系、パール系、ナチュラルベイトを意識したカラー(イワシカラーなど)が該当します。
また、この時期のデイゲームにおいては、スピンテールジグなどのフラッシング系ルアーを用いてリアクションバイトを誘う釣り方が有効な場合も多いです。
その場合は、ブレードの色はシルバー系を選ぶのがセオリーとなります。
これは、ゴールド系が派手すぎてスレが進行するのが早いため、少しでも現場のスレを抑えるための工夫になります。
- クリアウォーターでのカラーチョイスと同じ戦略
- クリア系、パール系、ナチュラルベイト系(イワシカラーなど)が活躍する
季節ごとのシーバスの釣り方のノウハウについては、以下の記事が人気です。
【関連①】季節ごとに攻略しよう!シーバスゲームのシーズナルパターンはこれだ!
また、厳冬期のシーバス釣りのノウハウについては、以下の記事が良く読まれています。
絶対におさえておきたい定番カラーの紹介
絶対に揃えておくべき定番のシーバスルアーのカラーは、以下の4種類です。
①レッドヘッド系
②アカキン(=赤金)
③チャートバックパール
④コッチンキャンディー
シーバスルアーのカラーの基本と使い分けについては理解して頂けたかと思います。
で、この記事を読んでいる人が一番気になるのは、『実際にどんなカラーがあって、どれを選べばいいのか?』という具体例だと思うのですが・・・
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といういわけでここでは、釣れるとされている定番カラーの具体例をいくつか紹介したいと思います。
いずれのカラーも定番の配色であり多くのルアーで採用されていますので、カラー選びで迷った場合はここから選ぶのが一番無難かと思いますね。
定番①|レッドヘッド系(レッドヘッドホロ、レッドヘッドパールなど)
ヘッド部分が赤、ボディー部分がそれ以外の配色を『レッドヘッド系』といいます。
これには以下に示す2種類が王道であり、実質的にはこの2種類の事をまとめてレッドヘッド系と呼ぶ場合がほとんどですね。
1-1: レッドヘッドホロ
ボディー全体がホログラム系シルバーで、ヘッドが赤いカラーの配色です。
デイゲームでもナイトでも使える万能系のアピールカラーであり、私(編集部・るあらび)が最も好きなカラーもこれです。
初めて選ぶルアーの場合は、私はとりあえずこのレッドヘッドホロを選ぶようにしています。
そして、そのルアーが自分にとっての一軍ルアーとなりそうであれば、それ以外の配色も必要に応じて揃えていく事が多いですね。
おそらく日本中のシーバスアングラーに最も選ばれている配色の一つといっても過言ではないでしょう。
1-2: レッドヘッドパール
ボディー全体がパール系ホワイトで、ヘッドが赤い配色のカラーです。
夜釣りの万能系カラーとして定番中の定番ですね。
夜釣りといえばチャートパールバック系が一番人気だとは思うのですが、このカラーだけではスレが進行してしまいますので、そのような場合のカラーローテーションとしても人気の配色です。
【関連】シーバス釣りたきゃ夜に行け!ナイトゲームの基本と攻略法
4つの仮説|なぜレッドヘッドは釣れるのか?
『レッドヘッド=釣れるルアーカラーの代表格』といった言及が多く、私を含めて熱狂的な信者が多いです。
そして、このカラーが釣れる理由については諸説あり、非常に混沌とした状況・・・
というわけでここでは、レッドヘッドが釣れるカラーであり続ける4つの仮説を紹介したいと思います。
信じるも信じないも、あなた次第ですがw
説①|赤いヘッド部分が、エラが傷ついて出血しているベイトに見える説
レッドヘッドというカラーは、元々はブラックバス用のプラグで採用された最も歴史のある配色の一つなんだそうです。
そして、『レッドヘッド=傷ついたベイトの出血説』は、この時の仮説だとされています。
つまり・・・
レッドヘッド配色におけるヘッド部分の赤色は『傷ついたエラから流れ出る血の色』を演出しており、捕食者であるフィッシュイーターはこの配色を弱ったベイトのシグナルとして感知するという説です。
まあ、人間側が勝手に考えた理屈ですので、本当のところはシーバスに聞かないと解りませんが・・・
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じゃあ、レッドヘッドのルアーは、弱って死にかけたベイトのようにゆっくりとした動きとアクションじゃないと釣れないのか?と言われると、その答えは当然『No』ですよね?
ですので、シーバスがこのような配色を『弱ったベイトのシグナル』として本能的に検知しているとは、とてもじゃないけど思えないというのが個人的な感想ではあります。
この仮説は、『釣り人の夢と願望が一杯つまった妄想』だと思うんですが、どうですかね???
説②|ボディー全体の大きさが一回り小さなサイズに見えるという説
これは赤色という色の特徴から考えだされた、科学的な見地に基づく仮説です。
どういう事かというと、赤という色の波長は水の中で減衰しやすく、遠くまで届きにくいという特徴があるんですね。
そのため、ある程度離れた距離からレッドヘッドカラーのルアーを眺めた時、赤色のヘッド部分は背景に溶け込んでしまい、視認性が落ちます。
そのため、ボディー部分の配色だけが捕食者に視認されやすくなると考えられます。
そのため、レッドヘッドカラーのルアーは、シーバスにとっては『ヘッド部分の赤色』が削れて短くなった『一回り小さな食べやすいサイズ感』に見えるため、捕食されやすいといわれています。
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真偽のほどは不明ですが、配色が原因でサイズ感が変わるという考え方はとても面白いなって個人的には思いますし、ユニークなアイデアですよね。
説③|ボディー配色とのコントラストが強調される説
これも赤色という色の科学的な特徴から導かれた仮説です。
先ほど上の記事で説明した通り、『赤=水中で減衰し、遠くまで届かない色』という特徴をまずは理解して下さい。
これは言い換えると、赤色は水中で黒っぽい影のような色合いになるという事になります。
そして黒という色は、『全ての可視光を吸収した時の色合い』ですので・・・
レッドヘッド配色のヘッド部分は、『水中で波長を吸収する黒』に近いカラー
という事になります。
その一方でレッドヘッド配色のボディー部分は、ホログラムやパールのように可視光を乱反射する色になります。
そしてこれは、ヘッド部分の赤色とは全く逆の作用になりますよね?
このコントラストがあるため、レッドヘッド配色のルアーを水中で近くから眺めると、『ヘッド部分はシルエットがきゅっと引き締まって小さく見えるのに対し、ボディー部分はホロ系カラーの時はキラキラと輝き、パール系カラーの時は白っぽくぼやけて一回り大きく認識される』という事になります。
この、『ヘッドは輪郭がくっきりと、そしてボディー部分はぼやけて一回り大きく見える』というコントラストが水中で非常に目立つため、レッドヘッド配色は他のカラーよりもアピール力が強く、捕食されやすいと考えられています。
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一つのルアーで『可視光を吸収するヘッド部分と、可視光を反射するボディー部分』という役割分担がなされているという意味では、この配色は極めて特殊であり、他に代わるものがない独自性の高いカラーであるといえそうですね。
説④|使っている人が多いから釣れるといわれているだけ説
最も夢がない、そして、おそらく正解に最も近い説がこれですw
これは断言しますが、現在市販されているシーバスルアーでレッドヘッドカラーを準備していないルアーはほとんど存在しません。
それくらいにこの配色は愛好者が多く、実釣の場でも使われ続けています。
つまり、愛用者が多いから、釣果報告も必然的に多くなるはずです。
そして、この圧倒的な実釣成果は雑誌やSNSで拡散され続けていますから、これまでも、そしてこれからも『レッドヘッド神話』は崩壊することなく、伝説として語り継がれていく事になる・・・
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なんとも夢のない説ですが、一番説得力があるかも?って私は思います。
ちなみに私(編集部・るあらび)は熱狂的なレッドヘッド信者ですが、それでも客観的に考えたら、説④が一番理にかなっている気がしますねw
- エラが傷ついて出血しているベイトに見えるから釣れる?
- 一回り小さなサイズに見えるから釣れる?
- ボディー配色とのコントラストが強調されるから釣れる?
- 使っている人が多いから釣れるといわれているだけ?
定番②|アカキン(=赤金)
ボディー全体がゴールド、そして背が赤色の配色です。
なぜかカタカナで『アカキン』と表記される事が多い、そんなカラーです。
ボディー部分の金色はフラッシング効果により非常に目立ちます。
その一方で背中の赤色は、可視光を吸収してシルエットをくっきりと引き締める効果を持ちます。
そのためこの配色は、水中から眺めた時にフラッシング効果が助長されて、より一層目立つ特徴があります。
あらゆる条件下で最も目立つ配色の一つとされており、雨が降った後の河川などで濁りがきつい時の定番カラーとなっていますね。
また、マズメ時や曇りのデイゲームのような光量が少ない条件でフラッシング効果を利用してルアーを目立たせたい時にも使われます。
一般的にはデイゲームとの相性が良いとされていますが、常夜灯や月明りがあればナイトゲーム+濁り時にも活躍します。
私にとってこのカラーは、『お気に入りのルアーのカラーバリエーションの一つとして揃えておくべき切り札的なカラー』という位置づけですね。
定番③|チャートバックパール
ボディー全体がパール(白系)で、背中がチャートの配色です。
背のチャートカラーは、そのバリエーションで様々な配色が存在しますが、代表例は、背中が蛍光黄色のタイプですね。
特にシーバス用のルアーの場合は、『チャートバックパール=背のチャートは蛍光黄色』というパターンが多いですね。
このカラーは夜釣りの定番カラーであり、背中のチャートカラーは下からシーバスがルアーを見上げた時に、『明滅効果』と呼ばれるボディー部分のカラーとの対比現象が発生します。
そのためこの配色は、シーバスにとって『チカチカ』と点滅する蛍光灯のような存在であり、非常に目立つと考えられています。
明るくなったり暗くなったり、チカチカと点滅するから『明滅現象』であり、その特性を一番引きだすのが、この『チャートバックパール』という配色なわけですね。
シーバスのナイトゲームにチャレンジするのであれば、一番最初に揃えておくべき王道カラーだといえます。
【関連】シーバス釣りたきゃ夜に行け!ナイトゲームの基本と攻略法
定番④|コットンキャンディー
ホログラム系やパール系のボディーに対して、チャート系のピンク、青、黄などの派手な色を『わたあめ(=コットンキャンディー)』にようにぼやけた円状で一列に配置したカラーです。
一見すると派手なアピールカラーに感じるかもしれませんが、実はこの配色はナチュラルカラーの一種とされています。
これは魚の鱗をイメージしてもらえると話が早いです。
魚の鱗(ウロコ)は、一種のホログラムカラーであり、光が当たる角度によって、あたかも虹色に輝くようなフラッシング現象を起こします。
この『フラッシングによる鱗(ウロコ)の虹色』を少し派手目に再現したのがコットンキャンディーであり、シーバスをはじめとするフィッシュイーターにとっては見慣れた色合いであるため、そのアピールもナチュラルであり、派手すぎないと考えられているのです。
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うーん。でも、どうなんでしょうかね?
個人的には、この『コットンキャンディー=ナチュラルカラー説』は、少し根拠が薄いというか、論理が破綻しているように思うのですが…
なぜかというと、魚の鱗によるフラッシングは見る角度によっては虹色に見えますが、これが横一列に、しかもカラフルに配色されているわけはないので、コットンキャンディー配色がこれに似ているとはちっとも思えないんです。
また、コットンキャンディーカラーのルアーにUVライトを当てると解るのですが、配色によく使われるャート系蛍光色は、当然の事ですが蛍光現象を起こします。
その証拠が下の写真になるのですが、一見してわかるように、紫外線光存在下(=つまり少しでも光量がある条件下)でのコットンキャンディーカラーは、チャートパールバックと同様に非常に目立つハイアピールカラーである事が明らかですよね?
①照明存在下
↓
②照明OFF
↓
③UV(紫外線)ライト照射下
ちなみに、朝まずめ、夕まずめ、曇天、そして常夜灯存在下での水中という環境は、『可視光が弱くなり、相対的に紫外線の強度が強くなった状態』です。
これはざっくりと表現すると、上の写真の②と③の中間的な環境と考える事ができます。
そのため、コットンキャンディーとチャートバックパールの両配色は、蛍光現象により確実にその視認性が高くなっており、シーバスにとっても人間にとっても非常に目立つ状況になっているといえます。
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というわけでまとめると、コットンキャンディーという配色は、一般論的には『ベイトとなる小魚の鱗(ウロコ)のフラッシングに似たナチュラルカラーであるため釣れる』とされています。
この説を支持するのであれば、コットンキャンディーはナチュラルカラーであり、アピール力が弱いがスレには強いといえそうです。
ですがその一方で、この配色は夜釣りのド定番カラーであるチャートパールバック系カラーと同様に蛍光現象を起こすため、少しでも光量が確保されていれば非常に目立ちます。
この説を支持するのであれば、コットンキャンディーは朝まずめ、夕まずめ、ナイトゲーム、曇りのデイゲームなどの光量が少ない条件下で本領を発揮する超ハイアピールカラーという事になります。
個人的には後者、つまり、『コットンキャンディー=ハイアピールカラー』を支持したいのですが、この配色に対する理解は非常に混沌としているというのが現状です。
ある人はこれをナチュラルカラーとして使い、ある人はこれをハイアピールカラーとして選んでいる。
これがコットンキャンディーカラーにおける事実であるといえそうです。
そして、このような自己矛盾ともいえるような解釈が可能なルアーカラーは、私はこのコットンキャンディーくらいしか知りません。
そいういった意味からは、他に比較対象が思い浮かばない非常に特異なカラーであると断言できそうですね。
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ちなみに私は、コットンキャンディーはレッドヘッドホロと相補的に使ったり、夜釣りでチャートバックパールの代わりに使ったりしています。
つまり、私(編集部・るあらび)は、このカラーをナチュラルカラーとして使う時もあれば、ハイアピールカラーとして使う時もあり、未だにどちらが正しいのか結論が出ていません。。。orz
カラー選びに関する5つの考察(=私の妄想ともいいますw)
①ナチュラルカラーは実は難しい?
シーバスルアーのカラー選びにおいて、ナチュラルカラーは使い所が難しい配色の一つであり、「ナチュラルカラーは釣れない」という意見も多いです。
上の写真はタックルハウスというブランドの名作ルアー『ローリングベイト77』です。
ちなみにカラーは『PP イワシ (=イワシカラー)』であり、実際のベイト(餌となる小魚)の配色を忠実に再現しています。
このような実際の魚にそっくりなカラーリングの事を、『ナチュラルカラー』と呼びます。
(参考:ナチュラルカラーの具体例は、こちらの段落でも紹介していますので、ご参考下さいね♪)
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で、本題。
ルアーアングラーの中には、『ルアーは自然の魚を真似た漁具の一種なのだから、カラーはその時のベイトに合わせたナチュラル系が一番釣れる』という考えを持つ人もいます。
ですが個人的には、この考えは危険だと思っています。
なぜかというと、こちらの記事『ルアーカラーの科学|シーバスは確実にルアーの色を識別している!』でざっくりと説明したように、そして、参考論文として紹介した『異なる背景色におけるスズキのルアー色の選択』の結論から考えても…
背景色との対比が強調されるカラーがシーバスには好まれると考える方は、充分に信頼に値すると思うんです。
つまりシーバスのルアーフィッシングにおいては、『ルアーカラーは目立ってナンボ!』というシチュエーションの方が多いと考える方が理に適っているし、少なくともこのアイデアを支持する科学的なエビデンスがあるのが現状なんです。
そして、自然に存在する魚のカラーというのは、『自然界でどれだけ目立たないか?』という進化の選択圧がかかって選ばれてきた、究極の迷彩色であると考える事が出来ます。
このような考え方から判断すると、わざわざ自然界で目立たないように進化した魚に近いナチュラルカラーは、どう考えても『最も目立たないカラー=釣れないカラー』であると考える事ができます。
特にベイトが多く、活発に動き回る夏の時期は、ナチュラルカラーのルアーはベイトの群れに隠れてしまうため目立ちません。
そのため個人的には一番避けたいカラーであり、このような私の経験は上で述べた『ナチュラルカラーは釣れないカラー』という説に矛盾しません。
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とは言っても、もちろんナチュラルカラーにも適材適所というか、得意とするシチュエーションはあります。
その代表例が、スレが確実に進行していると判断できる状態です。
例えばウェーディングや防波堤先端などで固定砲台打ちとよばれる『移動しない釣り』をしている場合は、ルアーの種類やカラーリングをローテーションしてあげないと、ルアーをキャストする度に場のスレは進行し続けます。
このような場合は、例え濁りがきつかったり曇天で光量がすくない場合でも、ナチュラルカラーでないとシーバスがルアーを見切ってしまう事も考えられるでしょう。
そんなわけでナチュラルカラーは、実は非常に使いどころに悩んでしまう難しい配色の代表例なんです。
そのため、ルアーローテーションの一環として、自分の一軍ルアーのカラーバリエーションに一つだけ準備しておけばそれでOKと私は考えています。
シーバスのウェーディングについては、以下の記事で詳しくまとめています。
②ミノーのカラー選びは『ベリー(=お腹)の色』に注意!
シーバスルアーのカラー選びにおいて、ベリー(お腹)の色は、ボディーの色とのコントラストが目立つカラーを選びましょう。
シーバス用のルアーで使用頻度が最も高いのが『ミノー』だと思います。
この種のルアーは、リトリーブすると水中に潜り、ボディーをゆらすようなアクション(=ウォブンロールアクション)をします。
(参考:ミノーのアクションの種類については、こちらの別記事『シーバス用ミノーのアクション特性とその代表作について』で詳しく解説しています。)
基本的には、シーバスがいる泳層よりも上の層を泳がせる使い方をすると考えてもらってOKです。
そのため、シーバスはミノーを下から眺めており、下から上へと喰上げるようなバイトをします。
このような特性があるため、『シーバスルアーのカラーは目立ってナンボ』という考え方をするときは、ベリー(=お腹)とボディー側の配色が非常に重要となります。
つまり、ベリー(お腹)とそれ以外の配色コントラストがはっきりしている方が、ミノーそのものの存在が目立つのです。
例えば以下の写真は『レッドベリー+シルバー系ボディー』という組み合わせの配色であり、私が『信頼できる定番カラー』としてよく選ぶ配色になります。
↓
この配色は、ミノーがアクションする時に、ボディーのギラギラした反射とお腹の暗く赤い配色が明滅現象を起こして『チカチカ』と点滅しているように見えると考えられています。
イメージ写真を以下に示しました。
↓
ボディーが横揺れした瞬間に、ベリーの暗く吸い込むような赤とボディーのキラキラしたシルバー系の配色の両方が視認されますよね?
このような『配色の対比(=今回の場合はベリーの赤とボディーのシルバー)』がアクションの度におきるため、ミノーの存在が水中で非常に目立ってくれるというわけです。
まとめると・・・
ベリーの配色に悩んだら、『シーバスが下からルアーを眺めた時に、ボディーとのコントラストがしっかりと出るかな?』って考える事をお勧めします。
ちなみに、ミノー系ルアーの配色についてはアングラーによって好みが非常に別れますのですが、私のタックルボックスを覗いてみたら以下のような配色が多かったのでさらしておきます。
ご参考になれば嬉しいのですが・・・なるのかなw
↓
バック(背) | ボディー | ベリー(お腹) |
---|---|---|
チャート | パール | オレンジ |
レッド | ゴールド | レッド |
なんでも | ホログラム/シルバー | グレー |
なんでも | コットンキャンディー | グレー |
ブルー | シルバー | ピンク |
シーバス用のミノーの選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連①】シーバス用ミノーの基礎と選び方のコツ&初心者にお勧めの名作9選!
名作と呼ばれる人気のシーバス用ミノーについては、以下のインプレ記事をご参考下さい。
【関連②】サスケ120裂波の俺的インプレ|永遠の一軍ミノーに決定です!
【関連③】万能シャローパイロットルアーTKLM90のインプレ
【関連④】メガバス、カゲロウ124Fのインプレ|水面直下ならコレ投げとけ!
③シーバスにピンクってどうなの?効くの?問題について
シーバスルアーのカラー選びにおいて、ピンクは「釣れるカラー」の一つです。
アングラーの好みが分かれるカラーの代表がピンクだと思います。
というのも、このカラーは人間にとって最も視認性が高い色の一つであるため、あまりに不自然で釣れる気がしないという人も多いんですよね。
しかし、これがシーバスにとっても目立つ色であれば、『目立ってナンボ』というシーバスルアーのカラー選びセオリーにピタリと合致するため、釣れるカラーという事になるはずです。
とはいっても、私はシーバスじゃないので答えはわかりません。。。orz
でも、個人的にはピンクバック(=背がピンク)、ピンクベリー(=お腹がピンク)というカラーは信頼していまして、そういう意味では『ピンクはシーバスが釣れる説』の支持者でもあります。
その理由は、大きく2つあるので、それぞれ解説しますね。
ピンクバック(背がピンク)とは?|釣り人にとって視認性が高い!
シーバスルアーのカラー選びにおいて、ピンクバック(背中がピンク)のカラーリングは、釣り人からルアーを視認しやすくトップウォータープラグと相性が良いです。
トップウォータープラグで背がピンク色のものが多いのですが、これは『人間側から見てルアーを視認しやすいため、シーバスのバイトを目で確認しやすい』というのが大きな理由です。
この特性は、サブサーフェイスミノーと呼ばれるような水面直下30cm程度までしか潜らないミノーの場合も同じであり、アングラー側からの視認性が高いため、ルアーを目で追いかけやすいのです。
そのため、『ルアーが水中に引き込まれる=バイトが見える!』というわけでして、興奮度の高いゲームが成立するという意味からも、ピンクバックは個人的によく選ぶルアーカラーだったりします。
どれくらいこの配色が好きかというと・・・
こちらの段落で書いているように、DIYでピンクバック系オリジナルカラーをカラーリングする事もあるくらいに好きですねw
ピンクベリーとは?|明滅現象がはっきり出やすい定番配色!
シーバスルアーのカラー選びにおいて、ピンクベリー(お腹がピンク)のカラーリングは、魚が下からルアーを見上げた時非常に目立つため、アピール力が高いです。
ピンクという色は、青色~緑色の反対色になるので、海の中でもシルエットがはっきりしており、非常に目立ちます。
(参考:反対色については、こちらの段落で解説しています。)
しかも、ナチュラル系カラーのルアーでよく採用される『ブルーバック=背が青』というルアーとの相性が非良いとされています。
なぜかというと、ベリー(=お腹)がピンクの配色がルアーアクション時にバックの青との対比を起こしてくれるため、明滅現象がはっきりと出やすいからです。
名作ルアーの定番配色として『ブルピン(背がブルーでお腹がピンク)』が必ずといっていいほど採用されているのも、このような『背のブルーとベリーのピンク』の明滅現象により、ルアーが非常に目立つからといえます。
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このような二つの特徴があるので、『シーバスとピンクのルアー』はかなりの好相性であり、個人的にも信頼しています。
カラー選びの第一候補とまではならないのですが、お気に入りルアーのカラーバリエーション候補として、個人的に非常に優先順位が高いカラーですね。
④『ナイトシーバスだからグロー系カラー』は超危険かも・・・
シーバスルアーのカラー選びにおいて、グローカラーは劇薬であり、場のスレが急激に進行する可能性もあります。
目立ってナンボとはいっても、不自然なほどに目立つカラーはシーバスの警戒心を煽るだけなので注意が必要です。
そのような劇薬カラーの代表例が『グロー系カラー』であり、こちらの段落で解説しているように、真っ暗闇でも自ら光を発してくれるため、非常に目立ちます。
ナイトシーバス(=夜釣りでのシーバス狙い)でカラーローテーションの一つとして使う事もあるのですが、目立ちすぎて場がスレるのは想像の通りです。
個人的にも、最初の一匹目は釣れるけど、二匹目が釣れない事が多い残念なカラーだと感じています。
そんなわけで、グロー系カラーでのシーバス狙いは、どうしてもバイトすら出ない時に最後の手段で選ぶくらいですね。
⑤『サーフのナイトシーバス』であれば、例外的にグロー系はOK!
サーフでないとシーバスを狙う場合は、グローカラーが劇的に効果を出す場合もあり、抑えておきたいカラーの一つです。
私が例外的にグロー系カラーを積極的に使うのが、夕まずめ以降~夜のサーフでのシーバス狙いです。
その理由なのですが、サーフという環境はあまりにポイントが絞り込みづらいため、とにかくルアーを目立たせないと釣果につながらない事が多いためです。
そんな時にグロー系カラーの『ハイアピール度合い』は、ルアーを信じてキャストし続けられるなと感じています。
そんなわけでして、グロー系カラーは劇薬だけどポイントと時間によっては効果的であり、その典型例が夜のサーフというのが私の暫定的な結論かな?
- ナチュラルカラーは難易度高めで難しい。。。orz
- ミノーのカラー選びは『ベリー(=お腹)の色』が目立つものを選ぼう!
- ピンクベリー、ピンクバックは要注目!
- ナイトシーバスだからグローカラーはお勧めしない
- 『サーフのナイトシーバス』であれば、例外的にグロー系もOK!
シーバスのナイトゲームについては、以下の記事で詳しく解説しています。
カラー選びの裏技①|空の色との反対色、ボトムの色との反対色という選択もアリ!
シーバスルアーのカラー選びにおいては、空の色、ボトムの色の反対色のカラーを選ぶと、ルアーのシルエットが目立ち魚へのアピール力が高まります。
繰り返し述べているように、ルアーカラー選びの原則は『目立ってナンボ!』です。
では、具体的にどのようなカラーがシーバスにとって目立つのでしょうか?
その答えの一つが、『空色との反対色、ボトムとの反対色を選ぶ』という考え方です。
注意して頂きたいのは、『水の色』じゃなくて、『空やボトムの色』という部分なのですが、これはシーバスの捕食の仕方と関係しています。
なぜ空の色との反対色なのか?
シーバスは基本的に、頭上を通過するルアーを下から見上げて襲い掛かるスタイルで捕食します。
つまり、ルアーを下から上へと突き上げるように襲い掛かります。
そしてシーバスが最も捕食しやすいレンジの一つが、水面付近から水深1m前後までの深さ、つまり『上層1m前後まで』であると考えられます。
これは、あらゆる魚にとって水面が超える事のできない壁として機能するため、シーバスが水面へとベイトを追い込み捕食するという狩りのスタイルとなります。
この時のシーバスの目線の事を考えると、海中から水面を見上げているわけですよね?
これはつまり言い換えると…
『戦闘態勢に入った時のシーバスにとって、その背景色は、いつも見上げている水面より上に存在する空の色』という事になります。
ですので、この空色との反対色という色は、シーバスにとって非常に視認性が高いと考えられます。
ちなみに『反対色って何?』という人も多いと思いますが、これに関しては『色相環チャート』を使えば一目瞭然ですよ。
↓
(画像引用元:色カラー/色彩を中心とした情報サイト)
上の図は24色色相環チャートといって、色の関係を模式的に表した図であり、デザイナーさんが目立つ配色の組み合わせを探す時に良く利用されています。
この図を見ると、反対色(=目立つ色の組み合わせ)が一目瞭然です。例えば・・・
赤色の反対方向には青がありますよね?
これは、青を背景とした時、赤との組み合わせ配色が最も目立つ事を意味しており、赤と青は互いに捕色の関係にあると表現します。
そして、反対方向にある色あいの事を『反対色』といいます。
例えば冬の澄み切った青い空のデイゲームの時、その反対色は赤色になりますので、ルアーカラーにこれを選べばコントラストが強調され非常に目立ちます。
特に大事なのはベリー(=腹)の色であり、シーバスは基本的に下からルアーを見上げているため、ベリー(=お腹)が赤の配色であれば、背景である澄んだ青の空色に対してくっきりと目立つ事になります。
なぜボトムの色との反対色なのか?
これは季節にもよるのですが、例えば真冬のシーバスゲームにおいては、活発に中層より上を泳ぎ回るベイトの絶対数が少なくなっています。
このような時期のシーバスは、ボトム付近にいるカニなどのベイトを偏食しているため、基本的に目線は下です。
つまり、冬のシーバスゲームにおいては、ボトムの色が背景色となる事が多いため、これとの反対色がシーバスにとって目立つと考えられます。
たとえばボトムが砂地の場合は、色相環チャートからは黄色~緑などの明るい色合いが近いため、その反対色である紫~濃い青のルアーが目立つと判断できますよね?
他にも、例えばボトムが岩質なら黒っぽい色合いのはずですから、色相環チャートから近い色合いを探すと濃い青になります。
その反対色は黄色なので、ルアーカラーは黄色を選べば目立つと判断できます。
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このように、シーバスが意識しているのが上層なのか、それともボトムなのかを判断し、色相環チャートを利用してその反対色を選ぶ事で、『目立つルアーカラー』というのは自動的に選択されるのです。
この手法を採用しているアングラーはまだ少ないとは思うのですが、ルアーカラー選びでいつも悩んでいる人は、ぜひ次の釣行で意識してみて下さい。
カラー選びの不安が嘘のように解決するはずですよ!
ちなみに、Googleの画像検索で『色相環チャート』と検索するとたくさんのチャートが見つかってきますので、お気に入り一つをスマホに写真で保存しておくと、現場で確認できて便利ですよ。
下にグーグル画像検索のリンクを置いておきますので、ぜひご活用して下さいね。
カラー選びの裏技②|オールブラック、オールホワイト、オールクリアという色味とそのチューニングについて
シーバスルアーのカラー選びにおいては、オールブラック、オールホワイトは釣れるカラーの一つです。
色とは何か?
もう一つのルアーカラー選びの裏技、それが『真っ黒ルアー』か『真っ白カラー』か『完全クリアカラー』しか使わないという選択肢です。
これはかなり極端な考え方なのですが、『色彩の科学』という観点からは実に理に適っているので、少し詳しく解説しますね。
まず最初に、色って何でしょうか?
例えば、赤いリンゴはなぜ青ではなく、赤く見えるのでしょうか?
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これは『リンゴの表面が、光に含まれる可視光成分のうち、赤の波長成分だけを反射し、他の成分波長が吸収するため、リンゴは赤く見える』と説明できます。
どういう事かというと、太陽光をプリズムで分解すると7色の虹色成分に分離できますが、これが色の元だと考えて下さい。
つまり、太陽光は7色の虹色成分の波長が全部混じった、そんな複雑な波長で形成されています。
そして赤いリンゴは赤以外の波長を吸収し、赤の波長のみ反射するので赤く見えます。
同様にドラえもんの輪郭部分は、青以外の波長を吸収し、青の波長のみ反射するので、その輪郭部分は青色に見えますw
つまり、物体の色の本質は、『光の波長成分のうち、物体が反射した波長成分』と表現する事ができます。
黒という色は存在しない!
では、黒という色はどうでしょうか?
これは『全ての可視光線を吸収した時の影』と表現する事ができます。
『太陽光はプリズムで分解すると7色の虹色の成分に分ける事ができる』と上で説明しましたが、この全ての波長成分を吸収した時の色味が、『真っ黒』です。
つまり、黒という色味は太陽光の成分波長には存在しません。
そのため科学的には。『黒』という色は存在せず、人間がそのように認識しているだけであるともいえます。
話を分かりやすくするために、ここでは『黒=全吸収色』と表現したいと思います。
本当はこんな表現存在しないんですが、便宜的にと考えて下さい。
白という色は存在しない!
では、この全吸収色である黒の反対の性質の色は存在するのでしょうか?
つまり、『全ての可視光波長を反射した時の色味』です。
もちろん存在します。
それが、『白』という色合いです。
つまり、白という色合いは、7色の虹色成分波長が全部乱反射して複雑に混じり合った時の錯覚のような色合いなんです。
先ほど黒を『全吸収色』と便宜的に名付けましたので、ここでは白を『全反射色』と呼んでみましょう。
もちろんこのような表現は存在しませんが、理解すやすくするための造語だと考えて下さい。
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当然ですが、全反射色である白という色合いも太陽光の可視光成分には含まれていません。
そのため、科学的には『白』という色は存在しないといえます。
さて、この科学的には存在しない『全吸収色である黒』と『全反射色である白』ですが、吸収と反射という真逆の性質を持つため、特定の背景色環境下での目立ちやすさもまた、正反対になるといえます。
そのため、黒という全吸収色を試してシーバスの反応が得られない場合は、その日は『吸収系カラーが外れ』という推測がたちます。
そうなると次に試すべきカラーとは・・・
『全吸収色=黒』の反対の性質を持つ『全反射色=白』という戦略が考えられます。
その日の当たりカラーは、水の濁りや天候、光量、そしてシーバスの活性など様々な要因で決まるのだとは思いますが、その日の概ねの傾向を『吸収系カラー』か『反射系カラー』か判断するために、このオールブラックとオールホワイトは非常に便利なツールになるのです。
クリアという色は存在しない!
『全吸収色の黒』、『全反射色の白』ときたら、次は何でしょうか?
もちろん答えは『透過』ですね。
虹色の7色が物体を透過する時の独特の色合い、それがクリアカラーです。
プラグ類のクリアカラーを考えると解りやすいのですが、クリアボディーを透過した光は、ボディーへの透過の際に屈折し、ボディー内部で乱反射しながら透過します。
そのためクリアカラーは一種のフラッシング効果をもつとされており、水中でキラキラと輝く目立つカラーです。
その一方で、フラッシングの強さはホログラム系カラーやゴールドほど強くないため、シーバスのスレを助長しないという特徴もあります。
つまり、クリアカラーは『目立つのにナチュラル』という矛盾した性質を併せ持つ、奇跡のカラーであるといえます。
そしてこの現象は、『吸収でも反射でもない、透過と屈折とフラッシング』というクリアカラーにしか再現できない物理的性質であるといえます。
そのため、クリアカラーは『全吸収色である黒』、『全反射色である白』とも全く異なる第3のカラーであると考える事が出来ます。
黒系でも白系でも反応が得られない場合は、このような全く異質のクリア系を試してみる価値は多いにあるといえますね。
3つの『極端カラー』の使い分け
この3種類のカラーですが、私(編集部・るあらび)はどうしてもシーバスの反応が得られない場合に、『その日の当たりカラー』の傾向を掴むために、お気に入りのルアーでカラーローテーションして使っています。
具体的には、以下のようなローテーションですね。
①『全吸収色であるオールブラック』でお試し
⇒シーバスの反応が得られたら、その日の当たりカラーは同じ吸収系の色である『赤や紫、青など』かもしれない!
↓
②黒と真逆の性質である『オールホワイト』でお試し
⇒これで反応が得られたら、その日の当たりカラーは全反射系の『パール、ホワイト』かも?同様に乱反射系のホログラム系、ゴールド系も面白いかも?
↓
③透過という唯一無二の性質の『オールクリアー』でお試し
⇒これでしか反応が得られないのであれば、この日の当たりカラーか『クリア一択』なのかも?また、クリアー系カラーを一種の乱反射系とみなせば、ホログラム系も試してみる価値あり??
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この3種類のルアーカラーは、吸収、反射、透過というルアーカラーの原理をとても極端に体現しているため、その日のざっくりとした当たりカラーの傾向を探すために理に適っていると私は考えています。
どうしてもルアーカラーが効いているとしか思えない日に、騙されたと思って真似してみると・・・いい事があるかも?
(効果は保証しませんがw)
カラーチューニング|オールブラック、オールホワイト、オールクリアは簡単に自作できる?!
上で紹介した『全吸収の黒』『全反射の白』『透過のクリアー』という3つのルアーカラーですが、このような極端なカラーを採用しているルアーはほとんどありません。
もちろん似た配色はあるのですが、『完全に真っ黒』『ヘッドまで全部白』『完全無塗装のオールクリアー』のような単一のカラーリングは、おそらく釣り人が『釣れる気がしない』と判断してしまうため、準備しても売れないんだと思います。
ですが、この3つのルアーカラーは、ほとんどの海況でどれかが目立ってくれる性質を持ちます。
そのため、『ルアーは目立ってナンボ』という基本から考えると、これは結果的によく釣れる万能カラーであり、揃えていて損はありません。
そして、だれでも非常に簡単に、そして安価に自作できます。
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①:カッターナイフで塗装を根こそぎ削りとる。
②:♯100程度の粗さの紙やすりで表面をさらに削る。⇒この時点で『全反射のオールホワイト』の出来上がり!
③:②で作ったオールホワイトに透明のマニュキュアを塗れば、『透過のオールクリア』の出来上がり!
④:②で作ったオールホワイトをマッキーの黒で塗りつぶせば、『全吸収のオールブラック』の出来上がり!
この手順は全てのプラグで応用が効きます。
慣れてしまえば、以下の写真のように自分なりの釣れる(気がする・・・)ピンクバック+ブラックベリー+クリア系のオリジナルカラーだって作成できます。
お気に入りのルアーや、カラーが気に入らないルアーがあれば、このような少し極端なカラーチューニングもぜひチャレンジしてみると面白いと思います。
シーバスルアーのカラー選び、マイルールの紹介
こちらの項目『ルアーカラーの科学|シーバスは確実にルアーの色を識別している!』でも紹介したように、ルアーカラーの選択については『背景色とのコントラスト』『目立ってナンボ』という2つの考え方を軸にすることが、少なくとも科学的な証拠があるという意味で信頼度が高いといえます。
では、天気や水の濁り、時間帯などの様々な環境下で、どのような配色が目立つのでしょうか?
ここでは、私(編集部・るあらび)が、『目立ってナンボ』という原則でいつも選んでいるルアーカラーの実例を紹介したいと思います。
↓
時間 | 海況・明るさ | カラー |
---|---|---|
デイゲーム | 濁っている | ゴールド系 |
デイゲーム | 澄み潮 | クリア系、ホロ&シルバー系 |
ナイトゲーム | 暗い(常夜灯なし) | チャートバックパール系 |
ナイトゲーム | 明るい(常夜灯あり) | クリア系、ブラック系 |
いつでも・・・ | とても困った時・・・ | レッドヘッドホロ、 自作のオールブラック |
いつでも | 場のスレが進行したと判断できる時 | ナチュラルカラー(=イワシ、ボラなど) |
ナイトゲーム | サーフで闇夜のランガン | グロー系 |
ちなみにこのカラー選択は、こちらの記事『シーバスルアーのカラー基本の5系統について』で解説している一般的なルアーカラー選びの経験則とも概ね一致します。
という事は…
。
。
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先人達が経験的に選んできたカラー選択のセオリーは、『背景色との対比で目立つカラーが良い』とした科学的な結論と一致するといえるわけですよね?
これはもう、『釣り人の執念って凄い!』と個人的には凄く感動したりなんかしますw
関連記事の紹介
当ブログでは、シーバスのルアーフィッシングに関するハウツー記事や、釣れるルアーのお話、私のシーバス釣行記なども、こってりと記事にしております。
この記事を読んでくれた人にとっては、きっと面白いと思うんですが・・・
以下のまとめページから各コンテンツに飛んでいけますので、興味がある人はご参考になさって下さいね♪
まとめ
一言でまとめると…『シーバスルアのカラー選択は、”目立ってナンボ”がセオリーだよ!』っていうお話でした。
実はこの記事、書くのに少しだけ勇気が必要でした。
なぜかというと、カラー選びについて徹底的なまでのこだわりと独自の理論を持つシーバスアングラー様も多くおられます。
そのような人にとっては、本記事で紹介したような『カラーなんで目立てばそれでいい』という考えは、少し極論だと思われるような気がしているんです。
ましてや私(編集部・るあらび)は、以下の記事で紹介したように『ルアーカラーの優先度はルアー選びの中で一番下』だと考えています。
つまり、ルアーカラーを重要視しない私のようなアングラーが、果たしてルアーカラーに関する持論とアイデアを記事にしてもいいのかな?と少し悩んではいたんです。
ですが、『背景色との対比で目立つカラーが良い』という事実については、こちらの記事『ルアーカラーの科学|シーバスは確実にルアーの色を識別している!』でも紹介したように科学的に根拠がある事実です。
そして、多くの人が納得してくれる観察結果だとも思います。
ですので、あえて本記事では、極論ともとられかねない私の考えを科学的な事実を交えて述べました。
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『ほぇ~、こんなにシンプルな考えでカラーを選んでも、シーバスって釣れるんだなぁ~ これなら俺でも釣れそうだ!』って思ってもらえれば、個人的にはこの記事を書いて正解だったという事になると考えています。
シーバスのルアーフィッシングは難易度が少し高めですが、非常にエキサイティングなゲームです。
ルアーカラー選びの基本も押さえて、最初の一匹、そして次の一匹をバンバンと釣りまくって下さい!