ソロキャンプに行くための準備といえば、まずはテント、その次に大切なのが寝袋(シュラフ)でしょう。
売り場で見ても、基本的に同じような形のモノが並んでいて選びにくいですよね。
しかも価格がピンキリなので、とても迷います。
ホームセンターで売っている1900円くらいのモノから、登山用の6万円以上のモノまで、キャンプ用品の中でも最も価格差が大きいアイテムのひとつです。
しかしソロキャンプで快適な夜をすごすためには、あまり価格にばかり気をとられてはいけません。
寝袋(シュラフ)のタイプ別に特徴を紹介しながら、ソロキャンプ歴10年以上の私(リュウ.A)が、失敗しない寝袋(シュラフ)の選び方を解説いたします。
寝袋(シュラフ)の種類について
寝袋(シュラフ)は、形状 素材 シーズンによってタイプが分かれます。
このタイプを知ることによって、自分のキャンプスタイルにあった寝袋(シュラフ)を選ぶことができるようになるでしょう。
形状
寝袋(シュラフ)の形状には大きく分けて3タイプあります。
多くの人が寝袋(シュラフ)と聞いてもっともイメージしやすいのが「マミー型」、比較的安価なモノも多く、ホームセンターなどでよく売られている「封筒型」、ちょっと特殊な「人間型」の3つです。
順番に解説しましょう。
マミー型
「マミー」つまりミイラですね。
頭からすっぽり全体を覆うタイプで、寒い場所でのキャンプに向いています。
見た目には一番寝袋らしい寝袋(シュラフ)です。
従来マミー型の寝袋(シュラフ)は手足が出せず、寝ていて暑くなった時に調節が難しいと言われていましたが、最近は横にファスナーが付いていて部分的に開くことができるモノも多くなっています。
封筒型
長方形で上部分(顔を出す部分)が開いているので、その形状から封筒型と呼ばれています。
ファスナーを全開にすると1枚の大きな布団のようになりますので、いろいろと使い勝手のいい寝袋(シュラフ)です。
マミー型のように体をしっかりと包み込むワケではないので、中で動きやすいという利点はありますが、その分保温性は低いです。
どちらかというとあたたかいシーズンに向いています。
人間型
ちょっと特殊なタイプで、寝袋(シュラフ)というよりは中綿(ダウン)入り全身スーツといった形状です。
手足が分かれていて、寝袋(シュラフ)に入ったまま移動したり、テントの外で活動したりすることができます(ちょっと見た目は変ですけど)。
あまり多くの種類は販売されていないことと、服と同じようにサイズが重要であることに注意が必要です。
素材
素材の違いというのは、中に入っている断熱材が、ダウンか綿(化学繊維)かという違いです。
一般的にダウンは高額ですが、軽くて収納がコンパクト、綿(化学繊維)は比較的安いですが重くなりがちでかさ張ります
ダウン
ご承知のとおり水鳥の羽毛で、布団やジャケットなどに使われる高級素材です。
ひと口にダウンといっても、正式には特にやわらかい胸部分からとれる羽毛のみをダウンといい、ちょっと固い節がある羽毛をフェザーといいます。
「ダウン80%、フェザー20%」などと表記されますが、ダウンの混率が高いほど高級で、軽くて保温性が高くなります。
ちなみにダウンの復元力(膨らみやすさ)をFP(フィルパワー)という数値で表すことが多いので、ダウンの寝袋購入を検討する際は、表示に注目してみてください。
600FP以上であればそれなりの高機能で、さらに高いモノになると800FPとか900FPなんていうモノもあります。
※実は筆者(リュウ.A)の本職がアパレルなので、このあたりをもっと詳しく説明したいのですが、長くなってしまうので、興味がある人はご自身で調べてみてください。
綿(化学繊維)
綿といっても天然のコットンが使われているモノはほとんどありません。
水分(湿気)に弱いという理由もあります。
一般的には寝袋に使われている綿は化学繊維ですが、これにもいろいろと種類があり、値段も機能もマチマチです。
基本的にはダウンに比べると保温性は低く、かさ張るモノが多いですが、中にはダウンに匹敵するような機能のモノもあります。
比較的安い、洗いやすいなどの化学繊維ならではのメリットもありますので、一概にダウンが優れているというワケではないことを理解しましょう。
シーズン
私はこの「シーズン」という分類が初心者にとってクセモノだと思っています。
一般的には冬用、3シーズン用などに分類されますが、多くの場合当てになりません。
特に3シーズン用は、真夏ならOKでも春や秋の夜間に気温が大きく低下する季節は使えないことも多いです。
格安の封筒型タイプで3シーズン用として売っているものは、真夏でも山間部のキャンプ場などでは使えないでしょう。
単純に冬用、3シーズン用という分類を信用しない事が重要です。
自分が行くキャンプ場のコンディションをよく考えて、気温が何度くらいまで下がるのか、その気温に耐えられるのかを確認した方がいいでしょう。
尚、一般的な寝袋(シュラフ)では、表示されている適応気温もあまり当てになりません。私の感覚ではプラス5~10℃くらいで考えた方がいいと思います(個人的意見です)。
- 寝袋(シュラフ)は形状、素材、シーズンでタイプが分かれる
- 形状はマミー型、封筒型、人間型の3種
- 素材はダウンか綿(化学繊維)の2種。ダウンは軽量、コンパクトだが高価。綿(化学繊維)はコスパはいいが重くてかさ張る
- シーズンは通常冬用か3シーズンに分れるが、あまり当てにしない方がいい
ソロキャンプ用寝袋(シュラフ)の選び方をシーズン別に解説
シーズン別解説としていますが、キャンプ場の場所によっても状況は大きく異なりますので、シーズンは参考程度に考えてください。
いつキャンプに行くのかはもちろん、当日の天気、キャンプ場は高地なのか平地なのか、最低気温はどれくらいまで下がるのか等を考えてください。
キャンプ場の周辺都市の気温を見ても、実態は分かりません。
最近ではキャンプ場等レジャー施設のピンポイント天気予報もありますので、これらを参考にするといいでしょう。
冬
命がけで極寒の地に挑むワケではないという前提です。
必ずマミー型を選びましょう(人間型は特殊なのでココでは除外します)。
封筒型は頭と首元がむき出しになるのでオススメしません。
ダウンならさらにいいのですが、ダウンだから必ずしも安心というワケではありません。
安いダウンの寝袋(シュラフ)は中のダウン量が少なかったり、フェザーの混率が高く、保温性が低かったりするモノが少なからずあります。
低い気温にも耐えられる綿(化学繊維)の寝袋(シュラフ)はどうしても重くてかさ張りますが、粗悪なダウンよりは安心です。
春秋
3シーズン用と書かれているものを選びたくなると思いますが、私の経験上ほとんどの場合寒い思いをします。
結論から言うと冬用を使用するのがいいでしょう。
お伝えしたとおり、最近のマミー型は横のファスナーを開けることで、手足を出せるモノが多くあります。
暑いときは調節すればいいので、冬と同じモノでいいんじゃないでしょうか。
一般的に3シーズン用と書かれているモノは夏用だと考えて、冬用とされているモノを秋~春の3シーズン用と考えた方がいいように思います。
ただし、私が寒がりなだけかもしれませんので、状況によって使い分けてください。
夏
封筒型の3シーズン用でいいでしょう。
場合によっては寝袋は不要かもしれません。
封筒型なら寒ければ、ファスナーを全開にして布団のように掛けて寝るという使い方もできます。
山間部のキャンプ場などで、夜の気温が急激に下がるのでなければ、ホームセンター等の格安寝袋でもOKです。
夏の注意点は、寝袋が薄い分地面の影響を受けやすいことです。
このあと解説しますが、夏場は寝袋(シュラフ)よりも、その下に敷くマット等の方が重要だと思います。
- 3シーズン用と冬用があればOK
- 冬用は必ずマミー型を選ぶこと
- 安い封筒型は3シーズン用となっていても、春や秋には厳しい
寝袋(シュラフ)の快適な使用方法を解説
快適に寝るためには、コット(キャンプ用簡易ベッド)やマットを使用しましょう。
キャンプ場の地面のタイプにもよりますが、寝袋(シュラフ)だけでは快適に寝ることはできません。
芝生や砂浜などのやわらかい地面であればいいのですが、多くのキャンプ場はかたい土で小石や砂利、枝などが混じっていることがほとんどです。
寝袋(シュラフ)はフカフカしているようで、実際に寝てみると地面のゴツゴツした感触を感じるはずです。
また地面から伝わる冷気もあなどれません。
冬はもちろん、比較的あたたかい季節でも想像以上に冷たく感じるでしょう。
荷物にはなりますが、コットやマットは快適に寝るためには必須です。
- 通常のキャンプ場の地面はかたく、寝袋だけではゴツゴツした感触を防げない
- あたたかい季節でも、地面から伝わる冷気は結構厳しい
- 快適に寝るためには、マットやコットが必要
ソロキャンプにおススメの寝袋(シュラフ)3選
コスパのいいマミー型寝袋ならコレ【Coleman sleeping bag Mummy Style】
私も冬用に使っている中綿(化学繊維)のマミー型寝袋(シュラフ)です。
-18℃まで対応とありますが、これは信用しないでください。
服をどれだけ着込むかにもよりますが、-5℃から0℃くらいなら問題ないと思います。
綿なのでコンパクトにはなりませんが、コスパがいいので入門用としてはおススメです。
2シーズン使える封筒型寝袋ならコレ【CAPTAIN STAG 封筒型シュラフピロー付】
冬用と書かれていますが、真冬には厳しいと思うので実際には春と秋におススメです。
枕が付いていて、内側が綿のフランネルの封筒型なので布団のような感覚で寝ることができます。
本格派ダウンの寝袋ならコレ【NANGA UDD BAG 380DX】
フトコロに余裕があるなら高品質なダウンの寝袋はいかがでしょうか?
ダウンジャケットでも有名な日本のアウトドアブランド「NANGA」の寝袋で、信頼は十分でしょう。
770FP(フィルパワー)と高機能で総重量はたったの680gです。
- コスパのいいマミー型寝袋【Coleman sleeping bag Mummy Style】をご紹介
- 2シーズン使える封筒型寝袋【CAPTAIN STAG 封筒型シュラフピロー付】をご紹介
- 本格派ダウンの寝袋【NANGA) UDD BAG 380DX】をご紹介
寝袋(シュラフ)のまとめ
寝袋(シュラフ)のタイプと選び方を解説してまいりました。
価格がいろいろで迷うと思いますが、当記事を参考にしていただければ失敗は少ないと思います。
なお、お伝えしたとおり寝袋単独では快適に寝ることはできません。
表示されている適応気温もマット等を使用することが前提になっている場合がほとんどで、それもあまり当てにならないことをお忘れなく。
少し適応気温を高めに見ておくのがポイントです。
初心者がソロキャンプに挑戦するのであれば、あまり寒い時季や気温が下がりやすい高地のキャンプ場は避けて快適な環境で始めましょう。
その方がたのしいです。
シーズン別のソロキャンプの始め方を別記事で書いていますので、こちらも参考にしてくださいね。
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