リモートでも仕事ができるようになってきた時代、いまは都会に住んでいるけれど、「自然の多い田舎でのんびり暮らしたい」「子育ては田舎でしたい」と思う人もいるでしょう。
この記事を読んでくれている皆さんは、「田舎に引っ越すなら助成金を使いたい」と考えていますよね。
本記事では、実際に20代で田舎暮らしを始めた筆者(ぐりゆう)が
- 田舎移住に使える補助金、助成金は自治体によって大きく異なること
- 主に使える補助金、助成金の種類
- 移住支援策が充実している自治体
を紹介します。
田舎に移住する際の補助金はよく調べるべき
私も田舎に移住した1人ですが、実は仕事の配属都合での移住だったので「補助金を利用して田舎のメリットを享受できていれば…」と少し後悔しています。
だからこそ伝えたいのが、
- 同じ田舎でも全然違う、補助金の有無
- 自治体によって補助金の種類や条件が異なる
- 同じ自治体でも年度によって助成内容が変化する
ということです。
東京都や関東圏、大阪名古屋などの大都市以外は、少子高齢化が進み「仕事がない」と若者が都会に流出し人口が減っています。
そういった現状から、「どこの自治体でも大体探せば助成制度があるでしょう」と想像してしまいますが、実際は自治体によって補助金の有無や内容が大きく異なります。
移住者を獲得できていないにもかかわらず、支援策がない自治体ももちろんあります。
財源の都合や、その年度の方針によっても補助金の有無や金額も変わってきますので、補助金を利用した移住は十分なリサーチが必要です。
主に使える助成金の種類
田舎に移住する際や、移住してから使える助成金は
- 住宅支援
- 子育て支援
の主に2種類です。
補助金、助成金を移住の決め手にするのであれば、自分のライフスタイルや、将来設計にあった支援のある自治体を把握する必要があります。
住宅支援
住宅支援一つでも、自治体によって打ち出し方が異なります。
- 新築で住宅を建てる場合の補助
- 中古住宅のリフォーム代金補助
- 賃貸住宅の家賃補助
など、自治体によっては新築住宅の建築に対する補助のみをしていたり、空き家の対策に苦労している自治体は中古住宅のリフォームに補助金を出していたりします。
ただでさえ土地の安い田舎で、助成金を利用して住宅を建てたり、リフォームをすることができれば、都会では絶対に住むことのできない大きな家に住むことができるのがメリットです。
しかし、よっぽどのことでない限り田舎の地価が上がることは期待できませんから、持ち家を持つのに慎重な人もいると思います。
そのような人は賃貸住宅の家賃補助のある自治体を探してみましょう。
賃貸住宅の家賃補助制度がある自治体は実は多くはありません。
新規就農など仕事の条件で、家賃補助が受けられるなどの条件がある自治体もありますので、自分の将来設計に会う支援が見つかると良いですね。
子育て支援
田舎町に住んでいて心強いなと感じるのは、子育て支援です。
主に、
- 子供の医療費補助
- 保育費補助
- 出産祝い金
- 入学祝い金
のような種類の助成をしている自治体が多いですね。
将来子供が複数人欲しいけれど、金銭的に不安を感じている方にとっても嬉しい制度です。
特に出産祝い金や、保育費の補助などは子供の人数が増えるほど金額が多くもらえるように設定している自治体も多いです。ぜひ活用したい制度です。
全国エリア別 補助金充実の自治体
ここでは、「田舎暮らしの本住みたい田舎ランキング2021」を参考に、補助金の充実している自治体を集め、支援制度を一覧にしました。
ユニークな助成金制度を持つ自治体もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
助成制度については、毎年更新になる自治体もあります。最新の情報は各自治体ホームページなどをご確認ください。
【北海道】沼田町
北海道、旭川市の近くに位置するお米の生産で有名な沼田町。対象の広い移住支援や子育て支援が手厚く、移住先として人気を集めています。
また、北海道などの雪国では意外とかかる暖房費も子育て世帯の助成があるなど、細かいところに手が届いていると感じます。
住宅支援
- 住宅新築助成
- 住宅購入費助成
- リフォーム・リノベーション助成
- ヤング世代移住促進家賃助成事業
- 移住による引越し手当(町内企業での就労が条件)
子育て支援
- 妊婦健診費用助成
- 妊婦健診(産後健診含む)交通費助成
- 一般・特定不妊治療助成
- 乳幼児・児童医療費無料(小学生以下対象)
- 沼田認定こども園保育料完全無償化
- 各種ワクチン接種費用助成
- 乳幼児健康診査精密検査助成
- がんばる高校生応援手当
- 奨学金の無利子貸与
- 中学生・高校生医療費無料
- 子育て世帯町外通勤手当(扶養家族が中学生以下の場合)
- 子育て世帯冬季暖房経費助成(扶養家族が中学生以下の場合)
【東北】宮城県栗原市
栗原市は、宮城県の内陸北部の、森林や原野、田畑の多い自然豊かな田園都市です。
市内には東北新幹線、東北本線及び東北自動車道が通っていて、市外への交通アクセスも良い場所です。
子育て支援に関しては、2人目以降を対象にするものも多いのでお子さんが多い方や、将来子供を複数人持ちたいと思っている人には特に利用できる助成金が多いです。
住宅支援
- 住まいる栗原 空き家リフォーム助成事業補助金
- 若者定住促進助成事業補助金
- 新婚生活応援家賃助成事業補助金
- 若者遠距離通勤支援事業補助金
子育て支援
- 子育て応援医療費助成事業
- すこやか子育て支援金(出産祝い金)
- 不妊治療費一部助成
- 2人目以降同時入所の保育料及び幼稚園授業料が無料
- 予防接種費用助成
- 3人目から小学校入学時に10万円を支給
【北関東】茨城県常陸太田市
東京都から120km圏内の茨城県常陸太田市。高速バスの発着所もあり都心へのアクセスも良好です。若者や子育て世帯をサポートする支援が多のが特徴です。
住宅支援
- 空き家リフォーム工事助成金
- 空き家・空き地の点検や除草等の費用を助成
- 空き家家財道具等処分費用助成金
- 住宅取得促進助成金
- 新婚家庭への家賃助成
- 住宅取得促進助成金
- 常陸太田市テレワーク移住奨励金事業
子育て支援
- 妊婦のインフルエンザ予防接種助成
- 不育症治療費助成
- 医療福祉費支給制度
- 不妊治療費の助成
- 乳児おむつ購入費の助成
【首都圏】千葉県いすみ市
九十九里浜の最南端に位置する千葉県いすみ市。青い海、緑に輝く山々のある自然豊かなまちで、サーフィン好きの人にも人気の移住先です。
ユニークなのは「クラウドソーシング手数料助成事業」、「クラウドファンディング利用手数料支援事業」です。クラウドワーカーならネックに感じている手数料を補助するなど独自の支援をしています。
子育てや住宅支援は他の手厚い団体に比べて特筆するほどではありませんが、個人で仕事をしていく、新しい田舎暮らしの在り方を提供しています。
住宅支援、リモートワーク支援
- 移住支援事業補助金
- 空き家バンク
- クラウドファンディング利用手数料助成事業
- いすみ市クラウドソーシング手数料助成事業
子育て支援
- ひとり親医療費助成
- ひとり親児童扶養手当
- 児童手当
【甲信】長野県辰野町
辰野町は長野県の真ん中あたり、首都圏、中京圏から2〜3時間という便利な地にあります。
豊富な移住者支援と子育て支援の手厚い町です。特に定住促進への助成が豊富なので、マイホームのある生活を夢見ている人は、自分のニーズに合う支援なのかチェックしてみると良いでしょう。
住宅支援
- 定住促進奨励金
- 住宅リフォーム補助金
- 診断士による耐震診断事業
- 木造住宅耐震補強補助金
- 勤労者住宅建設資金利子補給金
子育て支援
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 子供の医療費補助
- 子育て世帯のマイホーム補助
- 予防接種補助
- 保育園第二子半額、第三子以降無料
- 不妊治療助成
【近畿】兵庫県養父市
養父市は兵庫県北部の但馬地域の中央に位置するまちです。
兵庫県最高峰の山「氷ノ山」、日本の滝100選名勝「天滝」などがある自然豊かで、ハチ高原リゾートを有するまちとしても知られています。
養父市は住宅支援策が幅広くて熱いのが説く量です。移住者には民間の賃貸住宅の入居でも補助金が出るなど、ほどんどの場合で移住の支援を受けることができます。
加えて子育て支援策も手厚く、助成金制度を利用して田舎に移住したい人にとって魅力的です。
住宅支援
- やぶの空き家活用支援事業
- やぶ暮らし住宅支援制度
- 空き家購入奨励金
- やぶ暮らし住宅支援制度
- 民間賃貸住宅入居奨励金
- やぶ暮らし住宅支援制度
- 新築奨励金
- やぶ暮らし住宅支援制度
- 増改築奨励金
子育て支援
-
不妊治療費助成事業
-
妊婦健康診査費補助事業
-
給食費負担軽減事業
-
認定こども園・保育所の保育料負担軽減
-
インフルエンザ予防接種費用助成事業
-
遠距離通学児童・生徒通学費補助事業
- 高校生通学費補助金交付事業
- こども医療費助成事業
【北九州】大分県豊後高田市
全国でもピカイチの幅広い助成金があるのが魅力の、住みたい田舎ランキング三年連続1位の豊後高田市。
九州に住むなら真っ先に候補に入れて欲しいほど、各種助成金が充実しています。
これだけ種類があれば、あなたのニーズにも必ず会う制度が見つかるはずです。
住宅支援
- 生活応援住宅リフォーム事業(アパート等所有者の皆様へ)
- お帰りなさい住宅改修事業
- ムーブイン就労家賃支援応援金
- 高齢者・子育て世帯リフォーム支援事業補助金
- ハッピーマイホーム新築応援奨励金
- 空き家バンク仲介手数料助成事業
- 空き家リフォーム事業
- 空き家マッチング奨励事業
- 空き家DIY奨励金
- 子育て世代いらっしゃい引越し応援事業
- 移住者応援事業 ~ウェルカム未来の高田っ子応援金~
- 孫ターン奨励事業
- 愛ターンお婿(むこ)さん奨励金
- 女子ターン奨励金
子育て支援
- おおいた子育てほっとクーポン
- 妊産婦医療費助成制度
- 子ども医療助成制度
- 未熟児養育医療
- 不妊治療費助成制度
- 不育治療費助成制度
- 児童手当
- 子育て応援誕生祝い金
- 出産育児一時金
- 出産手当金
- 就学援助
最後に
田舎は移住支援が充実しているのは事実ですが、自治体によって異なる支援をしているということがお分かりいただけたと思います。
小さな田舎町でも、移住支援が充実していて移住者の多いまちはやはり元気な町が多い印象です。
移住サイトが見やすいのもポイントの一つだと思います。
補助金を利用して賢く田舎へ移住ができるよう、様々な自治体を比較し、より良い選択ができると良いですね。