2年ほど前、うっかり無職になってしまった筆者。
自然とスローライフな暮らしが始まり、いまでは仕事をしつつもスローに暮らしています。
自分の時間が増え、毎日自分は一体何をしているのか?と考えると、ほとんどが『食』にまつわることでした。
日々を送る中で感じること。それが『スローフード無くしてスローライフ無し』ということ。
私にとって日常生活でもっとも大切な時間が家族との食事と準備の時間。
我が家ではできるだけ『手作り』『自家製』を心がけています。
本記事はそんな私(ぐりゆう)が
- スローフードとスローライフの関係性
- スローフードって一体何?
- 実際にやっている自家製
このような事について、書いていきます。
スローフードとスローライフの関係性
日本人の耳には『スローライフ』という言葉の方が馴染み深いかもしれませんが、もともと『スローフード』のほうが先にできた言葉です。
『スローフード』という言葉が生まれたのは、1986年イタリアのある食卓ででした。
この年、ローマの一角にファストフード店のマクドナルドが進出。
ローマでは『若者が伝統の味を忘れてしまう』とちょっとした反対運動が起きました。
「これからはイタリアにもアメリカ型のファストフード文化が流れ込んでくる。ならば、僕らはスローフードで行こう」
その言葉に後押しされるように、1989年スローフード協会が発足。
今では160カ国以上に広がる国際組織となりました。
そんな『スローフード』という言葉の概念を食事だけではなく、生活に対しても表した和製英語が『スローライフ』です。
スローフードとは一体何?
スローフードのスローガン
スローフードとは一体何?ということですがスローフード協会のスローガンがわかりやすかったのでそれを元に説明していきます。
- おいしく健康的で(GOOD)
- 環境に負荷を与えず(CLEAN)
- 生産者が正当に評価される(FAIR)
そんな食文化を目指すこと。
農薬や化学肥料を多用した大規模農業の安価な野菜を遠いところから輸入したり、添加物を多用するファストフードや加工食品とは正反対の文化です。
伝統的な食材や料理を守り、それを生産する生産者を応援する、自分自身も健康のためにもなる食事を。
社会活動としてだけではなく、食卓を守るものとして心がけていきたいことです。
お皿の外のことを考える
みなさん、お皿の外のことって考えることが多くありますか?
私は自分で料理をするときは食材の産地をよく見てなるべく近い地域で採れたものを買います。
しかし、たとえば止むを得ずコンビニでお弁当を買った時や、お腹の減った衝動でショーケースのフライドチキンを買うときはどうでしょうか。
- 産地はどこか
- 何を使って作られているか
- 誰が作っているのか
- どのように作られているのか
深く考えたことがあるでしょうか。
ファストフードといって真っ先に思い浮かぶのがハンバーガーという人が多いと思いますが、コンビニ食も完全なファストフード。
自分の食べるものくらいどんな時でも、食材のルーツについて知りたいです。
例えば、『エビ』。
現在日本で食べられているエビの9割は輸入物だと言われています。
東南アジアのマングローブ林を切り倒し、海岸線にエビの養殖場を作り、そのほとんどを先進国が買い付けて行く。
養殖のために抗生物質を大量に使うために、池の水が流れ出した海では数十キロ先まで魚の汚染が進んでいる。
生産地を疲弊させてまでエビをたくさん食べている国の代表が日本です。喜んで食べているそのエビが、誰かを傷つけ地球を汚していたら。
素直に喜んで食べれないと思うなら、『知ること』が絶対に必要です。
地産地消と可能な食べ物は自給する生活
グローバル化した現在では食べ物の多様性を求めてか多くの食材が輸入されています。
しかし、これからは『無い物ねだりよりも、あるもの探し』をして行く必要があります。
水があり、山もあり、自然豊かな日本。
食料自給率はカロリーベースで37%、生産額ベースで67%(令和2年農林水産省)と依然低い。
これは「安いから、売れるから」と不要なものまで輸入している結果に見えます。
国内産の大根があるのに、おろすのに手間がかかるからと中国産の大根が使われた大根おろしチューブを買う。まさにファストフードの考え方です。
- なるべく地産地消を心がけること
- 可能な限り食料を自給する
- 日本食や地域に根付いた料理をたべる
そうすれば、食文化も守られ、輸送時のCO2も削減できます。
食べ物がそのお皿に乗るまでのストーリーをどれだけ知っているでしょうか。
商品の値段だけではなく、その生産や輸送の過程での環境負荷や労働環境についても考えることが重要なのではないでしょうか。
筆者のスローフード実践 【自家製のススメ】
我が家では『できるだけ食べ物を採取するところからできると良いよね』という考え。
これは、『当たり前に買っていたもの、自分で手作りできるしもっと安価においしく作れる』という無職になってお金に不安があったときに試行錯誤をした経験から始まりました。
やっていることだけを見ると、『オーガニックに偏った人、無添加主義の人』だと思われがち。
でも実際は、単純に作ることと美味しい料理を家族で囲む時間が好きなだけです。
では、ほんの一例ですが実際にどんなことをしているのか紹介します。
家庭菜園
野菜は家庭菜園で育てています。
雪国に住んでいるため、年間を通して完全に自給できているわけではないのですが、夏から秋にかけては自分の畑でとれるものと頂き物でほぼ完結します。
頂き物も家庭菜園のものなので、
- すべて農薬や化学肥料不使用
- 採れたてなので美味しい
- 野菜の味が濃い
- 売り物ではないので、形が悪くても食べれる(食品ロス無し!)
- 生ゴミはコンポストへ入れ肥料に
このようなメリットもあります。
野菜を育て始めて気づいたのは、あまりにもその原型やどのように成長するのかを知らないということ。
大根の花、種のでき方なんて結構衝撃的でしたよ。新しく知ることが多いのも楽しいです。
野菜の収穫のない時期は、道の駅の直売所などなるべく生産者の人がわかる場所で買うようにしています。
手作りベーコン
ここ1年くらい手作りするようになったのがベーコンです。
最初は単純に『自分で作ったら美味しいのでは?』という実験から始まったのですが、これがまた美味しい。
- 塩漬けや燻製の過程が楽しい
- 市販のものより美味しい
- 保存料無添加
といいことずくめです。
市販のピンク色のベーコンの多くには、亜硝酸塩という発色剤が使われていて、これには発ガン性があります。
ソーセージにも使われているものが多く、朝食で日常的に食べるのならちょっと怖い。
そんなこともあり、おいしいのでベーコンは自家製一筋です。
いつも色々な食材でおつまみ用の燻製も同時につくっています。
手作りピザ
手作りピザもよく作ります。
- 小麦と酵母は北海道十勝産
- 自家製ベーコン
- 畑のトマトやバジルで作ったで作ったソース
と、どこまででも手作りでこだわれるのがピザ作りの面白いところです。
こんな作り方してたら、お店で食べたら相当な高級ピザになるはずです。笑
パン作りもそうですが、発酵の際に膨れるのを見ていると癒されます。
使っているものはほぼ自家製で、雨で出かけるところがない日など暇な休日のアクティビティにもなる定番です。
自家製切り干し大根
今年は大根が沢山できたので、切り干し大根を作ってみました。
切り干し大根って、スーパーで買うと大根より結構割高なので、どうしてなんだろう?と思っていたのですが、干すことで栄養価が上がるそうです。
そして、干したらこんなに小さくなるのかとびっくり。
家庭菜園で変な形になってしまって、料理だと使いにくいような大根にもおすすめです。
乾燥野菜は保存もできて、パッと使えるのでおすすめです。
ジビエ肉と釣り魚
お肉や魚はもちろんスーパーでも買いますが、一般の人と違うのはジビエ肉が手に入ることと、釣った魚を食べていることでしょうか。
ジビエ肉は主に猟師さんから譲ってもらいますが
- 害獣駆除肉の有効活用
- 産地と誰が採ったかも明確
- 輸送コスト最小限
このように、畜産肉に比べ環境負荷も少ないです。
養殖の魚も畜産肉も、抗生物質などの薬が使われていますから、そういった面でも自然界のものの方が安全だと思っています。
山菜
北海道では春はまだ寒くて農作物の収穫がありません。
そこで、春は山菜をメインでよく食べます。
春と一口に言っても、採れる山菜も季節が進んで行くにつれて変わるのが面白いところ。
- ふきのとう
- アイヌネギ
- こごみ
- ウド
- ふき
- わらび
なんかが特に好きです。
その山菜によってよく生える場所、地形などが異なり、何度も行くと見つけるコツもわかってきます。
ハイキングがてら、近所の人と声を掛け合って一緒に行くこともあります。
寒い冬が明けて、採ってから食べるまで、新緑と自然の恵みを感じられる大好きなひと時です。
おわりに|まずは食事をゆっくり楽しむことから
仕事や毎日が忙しいと、もっとも手を抜きがちなのが食事。
私も会社員時代は残業の積み重ねで忙しく、毎日のようにコンビニのお惣菜に頼っていました。
一生懸命働いたお金で、割高で便利なファストフードを買っていたのです。
時間さえあれば、自分で安く美味しく、しかも楽しく作れる。
充実したスローライフを送るには、まずは食事を楽しむ時間を持つこと。
それができれば、自然と人生が豊かになるのではないかなと思います。